むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

令和四年の恒例花の下 ~猪苗代兼載翁追善連歌~

2022年04月24日 | 近況

 今回の花の下連歌も、残念ながらメール通信での開催となりました。

 しかしながら満福寺の見事な花の写真を地元の方からお送りいただき、お陰様で臨場感たっぷりに楽しむことが出来ました。開始直前に私もご挨拶に伺い、是非来年は兼載翁ゆかりの花の下でと、ご住職より嬉しいお言葉を頂戴いたしました。

 もう会員の皆様、すでに連歌師レベルの伎倆と誇りに感じております。次回こそはゆかしき枝垂れ桜の下で披露・奉納をと、心より願う次第であります。

       代表 南天

 

西光山満福寺の山門(栃木県野木町、古河公方ゆかり)

猪苗代兼載翁(1452~1510)の墓碑


賦何草連歌 ~猪苗代兼載翁追善花の下~(巻82、令和4年4月20日満尾)

2022年04月20日 | 作品集

(弓子寫)

初折表    
発句 歌を詠み花に酔ふべし春一日 路光  
胡蝶の遊ぶ古河の寺庭  
第三 長閑なる麓を東風の吹き過ぎて 弓子  
第四 さゝら波たつ舟のみづうみ 梅豊  
第五 出でくるも先まだ遠き道の果て 直人  
第六 宿にいろそふ露の白菊 純一  
第七 小夜更けてすむ月影ぞ照り増さる 典子  
第八 牡鹿の声もなにかゆかしき 和雄  
初折裏    
第一 霧わたる野に狭衣の見え隠れ  
第二 さても紅葉を狩るに急ぐや 路光  
第三 岩垣の深き山路をたづねきて 梅豊  
第四 のみど潤す谷の真清水 弓子 のみど=咽喉
第五 中空のこひのかけはし凉しきに 純一  
第六 幼きころの胸のときめき 直人  
第七 変はりゆく思ひのほどを知るや憂き 和雄  
第八 名残の袖に雨ぞ濡つる 典子  
第九 仮初の人やる方のおぼつかな 路光  
第十 霞める月の映ゆる池の面  
第十一 法となふ夜半の庵の春の闇 初瀬  
第十二 去りしほとけを慕ふきさらぎ 梅豊  
第十三 師を元に集ふ桜の満つる頃 弓子  
第十四 あたたかなれやすゑの武蔵野 純一  
名残折表    
第一 杖を手に老がゆくへをたどりつつ 直人  
第二 ある甲斐みつけなほ永らへむ 和雄  
第三 朝なけにうれしき鳥の声ぞ聞く 典子  
第四 天しろしめす神のみ恵み 路光  
第五 移り香の薄き衣に濃き匂ひ  
第六 思ひや瀬瀬のうたかたの浪 初瀬  
第七 わが恋はあはで消えぬる網代にて 梅豊  
第八 冬ごもりせる杣の田上 弓子  
第九 むらしぐれ峰の木々のは散りにけり 純一  
第十 ぬれてやひとりすぐる笹原 直人  
第十一 破れ笠に捨てし都もしのばれて 和雄  
第十二 ふる鈴虫の音こそ賑はへ 典子  
第十三 月を得て色やあざやぐ藤袴 ヒサヨ  
第十四 野を見よとてか尾花いざなふ 南天  
名残折裏    
第一 秋風も心あるべき里近に 初瀬  
第二 流るる雲の浮かぶ行く水  
第三 遠方を間なくしば鳴くかけ鶏の声 弓子  
第四 片岡陰や朝日さすらし 梅豊  
第五 唐衣の裳裾もぬるる春の露 典子  
第六 草かうばしきおぼろなるころ 純一  
第七 幾千代も筑波の花よ咲きほこれ 和雄  
挙句 かちよりゆかむうらゝけき道  南天 依兼載句