むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦朝何連歌(巻86、令和4年10月14日満尾)

2022年10月14日 | 作品集

(弓子寫、渡良瀬遊水池)

初折表    
発句 広ごりて露の宿るや藤ばかま 弓子  
のきばに甘く匂ふ秋風 初瀬  
第三 出でやらぬ月待つ空に雲うせて 直人  
第四 声めづらしく渡るはつかり 梅豊  
第五 折ゝは波路の思ひ便りせむ 和雄  
第六 八十島とほく行くは何方 路光  
第七 山深み白雪の原はてもなし 純一  
第八 冬咲く梅の花かあらぬか 南天  
初折裏    
第一 里離るる庵に住まふぞ心地良き  
第二 垣の隙より鶏や訪ひ来る 弓子 かけ
第三 紫のむらごの袖のぬれそめて 初瀬  
第四 しのびもあへぬ人の恋しさ 直人  
第五 夕顔を扇に置きて遣るはたれ 梅豊  
第六 五条辺りの風な忘れそ 和雄  
第七 川橋によりて御山を仰ぎしか 路光  
第八 たふとき寺の鐘こほるめり 純一  
第九 へだてせぬ霜こそ法の衾なれ 南天 ふすま
第十 袂に宿る影冴ゆる月  
第十一 身を正し願ひ籠むるや巫女の舞 弓子  
第十二 霞たなびく朱の玉垣 初瀬  
第十三 せせらぎに散りしく花の流れきて 直人  
第十四 象小河の春もいよいよ 梅豊 きさのをがは
名残折表    
第一 寄りつどひまた三つの友楽しまむ 和雄  
第二 歌の果つれば杯よ出でませ 路光  
第三 ひなの宿山ほととぎす慰みて 純一  
第四 咲くやかたへに恋忘れ草 南天  
第五 とことはに思ひ続くる仲もがな  
第六 小夜の睦言すでにそらごと 弓子  
第七 重ねたる綿の衣も色あせて 初瀬  
第八 さむけき住まゐ訪ふ友もなし 直人  
第九 おぼつかなくらまの山の霧深み 梅豊  
第十 かそけき木叢露ぞ落ちゆく 和雄  
第十一 もとあらの小萩かつ散るかよひ路に 路光  
第十二 いつしかすだく野辺の松虫 純一  
第十三 月みよとゆふべの風にさそはれて 南天  
第十四 旅立つ里を忘れやはする  
名残折裏    
第一 ひさかたの雨に漬つらむ狩衣 弓子  
第二 右と左にわく雲の峰 初瀬  
第三 若苗の水田に日ざしかゝやきて 直人 みづた
第四 なほそよさらに笹もゆるがず 梅豊  
第五 しまらくはかへさの雁を眺めつつ 和雄  
第六 霞にたどる小野のすぐ道 路光  
第七 花さかりうつし絵の今朝のどけしな 純一  
挙句 よりてもみまし青柳の糸 南天