むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何屋連歌(巻81、令和4年3月21日満尾)

2022年03月21日 | 作品集

(路光寫)

初折表    
発句 庭もせに名もなき草の芽ぶきかな 路光  
をちこち歌へ枝のうぐひす 初瀬  
第三 山いづこ霞のころも隠すらむ 純一  
第四 しるべかたぶきわく空もなし 直人  
第五 後笈の塵はらひつつ中宿り 和雄 あとおひ
第六 暮れ行く野辺の袖ぞ露めく  
第七 萩の花ゆるぐ小道に月さして 弓子  
第八 なほすみまさる鈴虫の声 可矢  
初折裏    
第一 しらくもを浮かべてさびし秋の水 草芳  
第二 を舟一つも岸に寄せなむ 路光  
第三 見せばやなあふさきるさの胸の内 初瀬  
第四 しぐるるすゑに言ひ知らぬ恋 純一  
第五 氷りつる袖の名残も色さえて 直人  
第六 うたて吹きくる峯の凩 和雄  
第七 老い行けば辛きことこそ忘れぬれ  
第八 さびしき時は歌詠み給へ 弓子  
第九 琴の緒のしらべもたえし瑞垣に 可矢  
第十 御前のぞくかおぼろげの月 草芳  
第十一 ほどなくも霞の関は薄らぎぬ 路光  
第十二 風に色染む春の山道 初瀬  
第十三 桜花散らぬ間にまたたづねばや 純一  
第十四 柴舟おつる宇治の夕暮れ 直人  
名残折表    
第一 水上の魚あまた棲む湖に 和雄  
第二 旅の宿りの円居するどち  
第三 家苞を待つ子ら思ひ急ぎ足 弓子  
第四 かたへになびけ道の夏草 可矢  
第五 たまさかの結ぶ縁は扇にて 草芳  
第六 あふられ燃ゆる恋のあだごと 路光  
第七 まつ山に忍ぶる末の浪のこゑ 初瀬  
第八 心のうらになほ濡るる袖 純一  
第九 迷ひすてむかへの雲をただ頼め 直人  
第十 み名となへつつ思ふ彼の岸 和雄  
第十一 都には楽しきことぞ多かりし  
第十二 更くる秋の夜交はす旨酒 弓子  
第十三 月影の露とこぼるる武蔵野に 可矢  
第十四 つづくかりねの荻の上風 草芳  
名残折裏    
第一 もじずりの裾や漬つらむ道のほど 路光  
第二 流れて雲のうすれゆくなり 初瀬  
第三 川はやみ岩瀬の玉は涼しくて 純一  
第四 蝉の声絶え暮るる山蔭 直人  
第五 久方の雨に荒田もうるほひぬ 和雄  
第六 いつしか草の青む村里  
第七 咲き初めし花に浮き立つ昨日今日 弓子  
挙句 駒並めゆかむ春の国原 可矢