むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦手何連歌(巻75、令和3年9月11日満尾)

2021年09月11日 | 作品集

初折表    
発句 ひと風に波の幾重や花薄 和雄  
こぼれて匂ふ萩の白露 典子  
第三 山里の道朝霧はかくすらむ 可矢  
第四 かりがね寒き秋の峰々 草芳  
第五 ひるつかた心もさぞなうすき月 初瀬  
第六 旅にしあらば岸に息ふや 弓子  
第七 さを舟の行く手はいづこしぐるるに 純一  
第八 古き蓑笠付くる術なし 路光  
初折裏    
第一 都路は色も鮮やく唐衣  
第二 思ひもかけぬ車あらそひ 直人  
第三 けふこそは賀茂のみあれにあふひなれ 梅豊  
第四 歌を捧げて願ひ満たさむ 和雄  
第五 わが恋の苦しきことはやすらふか 典子  
第六 空だのめなる文ぞ待たるる 可矢  
第七 あらましに生くるものかは儚きに 草芳  
第八 をちより寺のただ鐘のこゑ 初瀬  
第九 雪の夜石の仏を刻みつつ 弓子  
第十 むら雲こほる月かくしけり 純一  
第十一 山辺にも時の移ろひ風落ちて 路光  
第十二 里に爪木を運ぶ杣人  
第十三 かくれ咲く花ををしとや通ふらむ 直人  
第十四 春の末野をかける若駒 梅豊  
名残折表    
第一 しづかなる浦曲の水もゆるみきて 和雄  
第二 巳日祓に流すかたしろ 典子  
第三 まがこともかごとも夢と思ひつつ 可矢  
第四 とく出でたつやしののめの道 草芳  
第五 袖にあるにほひうらめし君ゆゑに 初瀬  
第六 偲び惑ひて恋を知り初む 弓子  
第七 逢ひ見ずも待つと伝へよ郭公 純一  
第八 間なく板戸にかかる白雨 路光  
第九 山風の通ふ宿こそ涼しけれ  
第十 川浪高き宇治の島蔭 直人  
第十一 橋守の戦さ語りはやまずして 可矢  
第十二 秋の最中は今と鳴く虫 和雄  
第十三 月あかし空も心も染めながら 初瀬  
第十四 しとど露置く菊の御園生 弓子  
名残折裏    
第一 道遠み野分の雨に急ぐべし 純一  
第二 叢雲晴れて町ぞ賑はふ  
第三 しろしめす君の恵みの豊かさに 路光  
第四 四方の国々鎖さぬよき時 和雄  
第五 もろこしの舟を浮かぶる宴せむ 純一  
第六 うららなる袖池にうつりぬ 直人  
第七 玉垣にひとひらの花招かれて  
挙句 弥生ぞゆかり古河のその里 南天