むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何風連歌(巻57、令和2年1月11日満尾)

2020年01月11日 | 作品集

初折表    
発句 木枯しの市にも春のいそぎかな 可矢  
寒けき空を閉ざす群雲 直人  
第三 時は今雨にぬるるも旅立ちて 初瀬  
第四 幾日ののちはいでゆ湧く宿  
第五 関越ゆるさがしき路も果てぬらむ 南天  
第六 山の端近く雁わたる声 素拙  
第七 月白み猪の寝の床の安けしや ヒサヨ  
第八 野分去りしか静まれる村 純一  
初折裏    
第一 ひそやかに秋の千草の咲きをりて 初瀬  
第二 ま垣の菊ぞ匂ひ高かる 直人  
第三 九重のうたげもあやに衣の色 素拙  
第四 かづけもの持つ右左の手  
第五 ながらへて額の波や髪の雪 可矢  
第六 老いの行末なにを頼らむ 和雄  
第七 高砂の翁をうなの寄り添ひて 初瀬  
第八 船出の時ぞ絆固めよ 素拙  
第九 鶴二つ恋によごとのきざしなり  
第十 野は冬枯れに澄みのぼる月 可矢  
第十一 里はづれ祠を守る人もなし 直人  
第十二 おぼろに聞こゆ御仏の声 純一  
第十三 花染むる心残りし墨衣  
第十四 唱ふるまゝに弥生すぎゆく 和雄  
名残折表    
第一 降る雨も行く年月もとどまらで 初瀬  
第二 飛び交ふ蛍夕やみの中 素拙  
第三 風涼し流れにそひて子らの夏 可矢  
第四 丈をくらべし時もありしか 直人  
第五 ひたぶるの心届くるつてもがな 純一  
第六 契るは雲のまたあふごとし 初瀬  
第七 山幾重さがしき道を訪ひゆきて 和雄  
第八 雪ふりそむるそまのきざはし 直人  
第九 片里は時雨の空と思ひしに 南天  
第十 疲れをいやすあつきもてなし 素拙  
第十一 糸竹の心そろふぞおもしろき 可矢  
第十二 声貴なるやすだく鈴虫 純一 あてなる
第十三 屋形船月も水辺に遊ぶらむ 和雄  
第十四 大堰の川にもみぢするころ 南天  
名残折裏    
第一 をりからに御簾吹く風のかよひきて 初瀬  
第二 扇持つ手をしばし止めけり 直人  
第三 影いづこただひと鳴きにほととぎす 可矢  
第四 暑さもさすがたゆむ入相 南天  
第五 また集ひよしなしごとを語りつゝ 和雄  
第六 酒酌みかはし春ぞ楽しむ 素拙  
第七 吉野山花の香りにつゝまれて 初瀬  
挙句 霞はれたる新なる御代 純一