むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何木連歌(巻80、令和4年2月23日満尾)

2022年02月23日 | 作品集

(南天書)

初折表    
発句 春立つや嬉しき文の歌筵  
梅が枝かくす雪もひとしほ 路光  
第三 うぐひすは見えぬ匂ひを宿として 初瀬  
第四 けふの船出にゆるき浦波 草芳  
第五 潮路ぞと雲の旗手や招くらむ 南天  
第六 霧はれわたる秋の山風 純一  
第七 月の宵さ牡鹿の声ふもとまで 弓子  
第八 やや肌寒に衣そなへむ 典子  
初折裏    
第一 ころほひのよろしき襲えらぶべし 直人  
第二 舞ひのよそほひなほぞ見惚るる 和雄  
第三 つはものは弓手つるぎに面形 路光 おもてがた
第四 思ひまさるも逢ひ難き仲  
第五 焦がれつつかたしくゆかぞただ広し 草芳  
第六 越すに越されぬ恋の山坂 初瀬  
第七 郭公頼むる声はいつはりか 純一  
第八 心勢ふ徒歩の東路 弓子  
第九 休らひて掬びし水ぞ清げなる 典子  
第十 法湛へたり衣更着の月 南天 きさらぎ
第十一 いたづらにふる世の野辺もひと霞 和雄  
第十二 さわらび萌ゆる片岡のかげ 直人  
第十三 散る花はそよ吹く風と戯れて  
第十四 朱の玉垣越ゆや越えずや 路光 あけ
名残折表    
第一 浅瀬ゆゑ裾も濡るまじ狩衣 初瀬  
第二 かはらけの音うたげあるらし 草芳  
第三 黒髪の香り仄かに流れ来て 弓子  
第四 心乱るる初霜の朝 純一  
第五 待ち更けてあだし言葉と知るもうし 南天  
第六 思ひのけぶり雲となるらむ 典子  
第七 須磨の浦海人の袖吹く松風に 直人  
第八 遠の舟うた返す古 和雄 いにしへ
第九 もろともに幟を立てし薬の日 路光  
第十 庭の集ひに果てぬ寿 ことほき
第十一 帰るさは馬に草かふ花野にて 草芳  
第十二 そほにまそほに山の端の秋 初瀬  
第十三 色染むる月の光はくまもなし 純一  
第十四 露踏みしだき急ぐ旅人 弓子  
名残折裏    
第一 雨やみてながむる空ぞしづかなる 典子  
第二 こゝろぼそしな朽ちし古橋 南天  
第三 冴え渡る田を夕暮と鶴鳴きて 和雄  
第四 仮庵の軒をすぐる凩 直人  
第五 九重の山辺ぞなべてたひらけき 梅豊 ここのへ
第六 いつしか草の青む国原  
第七 花一木しるべとやせむ道のほど 草芳  
挙句 行方かぎろふ奥の追分 路光