むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何風連歌(巻66、令和3年1月23日満尾)

2021年01月23日 | 作品集

初折表    
発句 門松にすがしさにほふ青さかな 直人  
いよよ気の淑き初歌筵 和雄  
第三 鶯も折知りがほに鳴きいでて   可矢  
第四 ひとむらの雲残る山の端  
第五 広野原流るる川のひかりをり 素拙  
第六 小舟の影にはや秋の風 草芳  
第七 はたおりの声ぞさびしき望月に 典子  
第八 あはれをそふる萩の下露 梅豊  
初折裏    
第一 蓑笠を繕ひ宿を後にして  弓子  
第二 あな遠からじ都への道 純一  
第三 初めには岐の神に手向けせむ 路光 ちまた
第四 しのぶ思ひをはやかよへかし 直人  
第五 玉章の筆の乱れもなほざりに 和雄  
第六 雪積むとても訪へぬものかは 可矢  
第七 川の面に白さ残して鶴の声  
第八 つばさならべて餌をあさる沢 素拙  
第九 空のあを誰がこころねを映すらむ 草芳  
第十 つつがなしやと夕涼の月 弓子  
第十一 夏衣うすき袂に風うけて 梅豊  
第十二 心まかせに野をめぐりたし 典子  
第十三 花散りぬはつせの寺は村雨に 純一  
第十四 御嶽精進の室も温みぬ 路光 みたけさうじ
名残折表    
第一 山深み春ぞすくなき岨の道 さう美  
第二 霞かくれの遠の海原 和雄  
第三 もろこしを目ざすや船の跡うせて 直人  
第四 才ザエ長タくる師に密かなる恋  
第五 糸竹の調べ合はすも思ひぐさ 可矢  
第六 松のひびきよ限りとて哭け 草芳  
第七 いつしかに風の便りも吹きは来で 素拙  
第八 駒引き返す野辺の細道 梅豊  
第九 降り止まぬ雪に埋もるる峠越え 弓子  
第十 衣手さむみときぞわするる 純一  
第十一 思ふどち円居て杯や交はすらむ 典子 つき
第十二 紅葉の下に麗しき人 さう美  
第十三 月読の光さやけき標の苑 路光 つくよみ
第十四 更けゆく秋に雁ぞなくなる 直人  
名残折裏    
第一 徒然はまた腰折れを書き留めて 和雄  
第二 窓に長雨のおなじあけくれ 可矢  
第三 奥山の庵こそ風の涼しけれ  
第四 飽かぬくらしにふるさととせむ 素拙  
第五 沢の音なほもゆかしきよべ昨夜の夢 草芳  
第六 雪間に水脈のいと清げなり 典子  
第七 初花をうれしとやみむ旅の空  梅豊  
挙句 聞きおきたまへ鄙の囀り 弓子  

賦何心連歌(巻65、令和3年1月6日満尾)

2021年01月06日 | 作品集

初折表    
発句 落ち葉にもまた花咲けり霜の門 和雄  
ながきたるひに朝の日の影 梅豊  
第三 山の端にためらふ雲も流れきて 直人  
第四 都に向かふ鳥のひとつら  
第五 秋立ちて風や色さへかはるらむ 梅豊  
第六 帰るさ分けし草ぞ露けき 直人  
第七 月は今天の浮橋渡りつつ  
第八 はるかに望む青き海原 梅豊  
初折裏    
第一 荒波に夢果たさむと船出だし 素拙  
第二 苞の小鳥と語る楽しび 典子 つと
第三 待ちわびし文の匂ひもかすかにて   初瀬  
第四 知る由もなき君がこころね 弓子  
第五 深見草けせぬ面影いかにせむ 和雄  
第六 まうで来たれりさみだるる初瀬 草芳  
第七 おぞましきえやみ失せよと祈りつつ 純一  
第八 ただにつらぬる歌のかずかず 路光  
第九 あらましの違ひゆく世にながらへて さう美  
第十 霞残れる有明の空 素拙  
第十一 あたたけき風吹きわたる春の野に 典子  
第十二 をちこち遊ぶしろきてふてふ 初瀬  
第十三 手折りたる花に童の笑まふ声 弓子  
第十四 夢と現の境わかずや 和雄  
名残折表    
第一 夕まぐれなほ道とほき旅ごろも 草芳  
第二 雲間に見ゆる富士に初雪 純一  
第三 しのぶれど燃ゆる思ひをいかにせむ 直人  
第四 これぞ恋とや人はいふめり 路光  
第五 いまはただ苦しき海を渡るのみ  梅豊  
第六 いつかこころの闇も晴るらむ さう美  
第七 村雨のまだ干ぬ里にほととぎす  
第八 誰が袖ならむかをるたちばな 素拙  
第九 見るほどに手の懐かしさいや増して 典子  
第十 ただすの神にたのむもろもろ 初瀬  
第十一 秋祭り稔り豊けしおほやまと 弓子  
第十二 風の響きぞ今宵さやけき 和雄  
第十三 待ちをれば月ゆるらかに波のうへ 草芳  
第十四 あはれともしれ萩の下露 純一  
名残折裏    
第一 山かげの庵のあたり音もせで 直人  
第二 焼くとしもなき炭の竃あと 路光  
第三 明け暮れの冬の通路なほさびし 梅豊  
第四 晦日の市の声ぞ飛び交ふ さう美  
第五 水たたふ池にかはづのうれし顔  
第六 風やはらかに萌ゆる若草 素拙  
第七 ふりぬれど花の都はにほひけり 典子  
挙句 霞の奥のあけの玉垣 初瀬