むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何屋連歌(巻62、令和2年9月26日満尾)

2020年09月26日 | 作品集

初折表  
発句 長雨に香もほの湿る蓮かな
蝉の声やむ今朝のいけみづ 梅豊
第三 静けさに雲も暫しはたゆたひて 素拙
第四 たどる笹はら峰とほからじ 草芳
第五 杣道ははや薄露を宿しつつ 和雄
第六 秋の夕べはやや肌寒し 典子
第七 松風を枝に残して小夜の月 初瀬
第八 いづちを指すやかりがねの列 純一
初折裏  
第一 空高く真白き雲のたなびきて 梅豊
第二 旅の便りに歌ぞ添へつる 和雄
第三 水茎の思ひな消えそあふ日まで 草芳
第四 しほれし袂いつかかわかむ 可矢
第五 恋ひしたふ君なればこそ寝ねがてに 弓子
第六 時雨の音を軒に聞きつつ 直人
第七 窓みずは木の葉の散るもおぼつかな 南天
第八 風心せよ沖に浮舟
第九 けふよりは磯による波静かにて 梅豊
第十 月も朧に須磨の夕暮 和雄
第十一 春山に照り添ふ星のかかやけり 素拙
第十二 野もあたたかににほふ衣手 典子
第十三 玉垣にひとひらの花招かれて
第十四 我に聞かせよ千代の古言 可矢
名残折表  
第一 鐘の音の胸にしみいるきのふけふ  初瀬
第二 里へだつるは積もる白雪 純一
第三 山あひを流るる川も凍てつきて 梅豊
第四 氷面によりそふ鴛鴦いたいけし 草芳
第五 はじめより人目をしのぶ恋ならむ 和雄
第六 名を尋ぬるもくちなしの花 南天
第七 時経ても忘らるまじき仕打ちうけ 素拙
第八 そむきし世にはほだし残れり 直人
第九 むら雨に蓑の下まで濡ればみて
第十 我が身をたのみいづこ行かまし 梅豊
第十一 白河の関屋ははやも秋の風 草芳
第十二 にほふかぎりのひと庭の菊 純一
第十三 盃に月をうかべてのみほさむ 初瀬
第十四 あさけに聞こゆさ牡鹿の声 典子
名残折裏  
第一 都には糸毛の車城門に
第二 かさねの色目いときよげなり 梅豊
第三 空薫の香も故知らずただよひて 路光
第四 こほれる池に冬の日の影  直人
第五 水ぬるみ野辺のをちこち鳥ぞなく 素拙
第六 霞か雲か隠す峰々 初瀬
第七 吉野山あるじかほなる花満ちて 純一
挙句 狭むしろ幾重春招くらむ 南天