むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦薄何連歌(巻76、令和3年10月8日満尾)

2021年10月08日 | 作品集

初折表    
発句 風こぼす露むらさきの小萩かな  梅豊  
こよひ野も狭に鳴くや鈴虫 路光  
第三 夜な夜なに満ちゆく月を空にみて 初瀬  
第四 渡る舟の荷秋の香ぞする 草芳  
第五 いづくにか宿を旅立ち急ぐらむ 純一  
第六 しるべも朽つる深山辺の道  
第七 分け入りて時雨に濡るる狩衣 典子  
第八 駒を走らす冬の暮れ方 弓子  
初折裏    
第一 うつりゆく雲にあはする松風に 直人  
第二 しばし聞くらむ糸竹の声 和雄  
第三 うちうちの女男の集ひけり 路光 をみなをのこ
第四 げにも川辺の端居凉しや 梅豊  
第五 常夏のかさねの隙に文の影 草芳  
第六 心も恋に染められし頃 初瀬  
第七 別れてもまたたれをかは訪ね来む  
第八 ただ眺むるは菊の白露 純一  
第九 雁が音の遠より届くふもとにて 弓子  
第十 変はらぬ月ぞ光さやけき 典子  
第十一 野仏の連ねおはする路の辺に 和雄  
第十二 のどやかなれや里の古寺 直人  
第十三 色に染む花もきのふと同じにて 梅豊  
第十四 こころ朧に老いのすゑずゑ 路光  
名残折表    
第一 住吉の幣は百重の浪と見よ 初瀬  
第二 小忌衣にも寄する浦風 草芳 をみごろも
第三 舞姫の袖にくれなゐ忘られじ 純一  
第四 徒しと知るもなほ契らばや  
第五 しのぶれど涙の雨ぞ降りまさる 典子  
第六 人目つつまずなく郭公 和雄  
第七 たちばなの花散る里もおとづれよ 直人  
第八 御階の右ぞいとなつかしき 梅豊 みはし
第九 そのかみは位の山を望みたり 路光  
第十 六の巷に縁こそあれ 初瀬  
第十一 安らけくまことの道の空のほど 草芳  
第十二 おおみやどころ小夜風ぞやむ 純一  
第十三 霜枯れの野辺に優しき月の影  
第十四 根延ふ下草雪を待つらむ 典子  
名残折裏    
第一 宿りせむ深緑なる松蔭に 和雄  
第二 頻浪よする浦の虚蝉 直人  
第三 わたつうみの沖ゆく舟はとほくして 梅豊  
第四 なれし衣に纏ふ舞風 路光  
第五 見渡せば匂ふばかりのうすがすみ 初瀬  
第六 けふ早蕨の谷はけぶりぬ 草芳  
第七 桜花やすらふ春に色そへて 純一  
挙句 鶯もまた声のよそほひ 南天