むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦花何連歌(巻25、平成30年3月10日満尾)

2018年03月18日 | 作品集

 

初折表  
発句 むさし野やけふより春の木々の息 和雄
うすむらさきに霞む遠方 可矢
第三 うぐひすも心みせむと訪れて 初瀬
第四 宿にすごせる日々の楽しさ 梅豊
第五 奥山のせせらぎの音ほの聞え
第六 秋去る夕の風ぞ流るる 雷華
第七 袖の露月の匂ひものこしつつ 初瀬
第八 色葉に染まり霧たちぬらむ 梅豊
初折裏  
第一 あてどなくなづみて越ゆる関の路 可矢
第二 都のたより絶えて久しき
第三 冬の濤よする渚にたたづみて 雷華
第四 くりかへしてや君おもふらむ 和雄
第五 待てど来ぬ心移りて去りにしか
第六 広き一間の宵ぞつらかる 梅豊
第七 ことかたにささやくほどの琵琶の声 初瀬
第八 たまゆら通ふ風の涼しさ 可矢
第九 蛍火の松の葉陰にとびかひて 梅豊
第十 滝のしづくにぬるる夕月
第十一 墨染めの衣を脱ぎて旅だたむ 雷華
第十二 雲遅く行くのどかなる道 梅豊
第十三 あてやかな神のしるしの花や咲く 初瀬
第十四 玉垣に寄る若駒の影
名残折表  
第一 しづかなる雨に我が里明け初めて 和雄
第二 機織る音の今も昔も 初瀬
第三 おしなべて常なき世こそ侘しけれ 梅豊
第四 いくとせわたる病みの苦しさ
第五 水はやみ棹さす舟の傾くまで 和雄
第六 流れにまかせゆくは誰がもと 可矢
第七 きざはしに結ぶ文とはうらめしや 初瀬
第八 忍ぶるほどに思ひ高ぶる
第九 見返れば峰に白雪降り積みて 梅豊
第十 鹿追ふ道のあとかたもなし 和雄
第十一 奥嵯峨に烏帽子狩衣着ける人
第十二 紅葉の錦かくす朝霧 初瀬
第十三 有明の月にすすきのなみ伏して 可矢
第十四 雁が音にそふ色のなき風 梅豊
名残折裏  
第一 湖のあなたに文のつてもがな 路光
第二 漂ふ網の浮きつ沈みつ
第三 夕立にけぶる山の端消え失せて 直人
第四 むら竹おふる里の涼しさ 梅豊
第五 このむ庵捨てての後はいかがせむ 南天
第六 笛の響きのいとどのどけし 純一
第七 集ひきて香りを愛づる花筵 素拙
挙句 胡蝶舞寄る敷島の道 和雄