むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦御何連歌(巻33、平成30年9月8日満尾)

2018年09月09日 | 作品集

 

初折表    
発句 撫づる風に秋知る社かな 初瀬 ぬさ
朝露むすぶ隙ぞゆかしき 和雄 ひま
第三 有明のくまなく照らす月出でて 純一  
第四 すすきの原をそむる白銀 直人  
第五 都への道やはるかに続くらむ 梅豊  
第六 ぬぎすてがたき旅の衣手 可矢  
第七 雪避けて休む岩陰見つけばや 素拙  
第八 落葉散り敷く冬ざれの里 ヒサヨ  
初折裏    
第一 夕づく日入るともなしに消えにけり  
第二 たなびく雲の端はくれなゐ 路光 はな
第三 漁舟涼しき風に出づるらむ 純一  
第四 君をまつほの浦の白波 初瀬  
第五 恋しさにたづぬるつてのあらばこそ さう美  
第六 山谷越ゆる道もいとはじ 可矢  
第七 行合の人も景色も色々に 和雄  
第八 よごとまがごと分かぬ辻占 路光  
第九 しるべなき草深き原暮れ初めて 素拙  
第十 なゐの村にも冴え返る月  
第十一 遠の雉ほろほろ鳴くもうらさびし 和雄  
第十二 ながき一日も門閉ざしつつ 可矢  
第十三 待ちかねし御寺の花は盛りにて 純一  
第十四 おとなふ人の衣のささめき さう美  
名残折表    
第一 玉の緒に名残りなき身の酒楽し  
第二 心は空を流れゆく雲 初瀬  
第三 ひたぶるにしのびし恋も徒なれや 純一  
第四 内なる思ひ色にでにけり 和雄  
第五 文の香にかたき契りを忘るまじ 純一  
第六 硯の水もこほる小夜中 可矢  
第七 明けぬれば天霧る雪ぞなべて降る  
第八 野ろに猟夫のしるき足跡 路光 さつを
第九 いとはやも日延ぶる春の風吹きて さう美  
第十 谷より出づる鶯の声 純一  
第十一 村里に畑焼く煙立ち昇り 素拙  
第十二 にぎはふ民のかまど匂へる 初瀬  
第十三 月の夜は氏の祭りに集ひ来よ 路光  
第十四 社の森のかげぞ涼しき 可矢  
名残折裏    
第一 旅の袖妙なる笛にいやされて 純一  
第二 秋の川瀬に櫂きしむ音  
第三 いかばかり漂ふ霧の深からむ さう美  
第四 山懐の道の露けさ 和雄  
第五 晴るる間に空もひとつの色となり 初瀬  
第六 草木萌えそむ野は浅みどり 可矢  
第七 ち風花は霞とまがふらむ 路光 あふちかぜ
挙句 よろこび尽きぬ春のあつまり 素拙