むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦下何連歌(巻73、令和3年7月29日満尾)

2021年07月29日 | 作品集

初折表    
発句 くちなしの花こそ匂へけさの雨 草芳  
涼しき風の通ふ村里  
第三 見るままに雲のひと叢山越えて 弓子  
第四 駒に水飼ふ岸のせせらぎ 可矢  
第五 わらび折る野辺の遊びやはてぬらむ 梅豊  
第六 若紫の色ぞうへなき 純一  
第七 やはらかにうかべる月はおぼろにて 直人  
第八 春ゆく袖に風やそよめく 典子  
初折裏    
第一 ひさびさに暇乞ひての道のほど 路光  
第二 都思ひに中宿りせむ 和雄  
第三 契りつる文も長雨にほの濡れて  
第四 帳の奥にかくすしのびね 草芳 とばり
第五 後の世を頼むと髪はおろしけり 可矢  
第六 百歳の尼のこす筆跡 弓子  
第七 見渡せば松が浦島遠方に 純一  
第八 舟二つ三つ浜に寄るらし 梅豊  
第九 古郷は面がはりして袖ひちぬ 典子  
第十 なけ時鳥ともは月のみ 路光  
第十一 とにかくにいかなる日々もながらへむ 和雄  
第十二 また来し春に逢へるよろこび 直人  
第十三 心にぞ小夜の中山はなさかり 草芳  
第十四 よろひの塚はのどかなる空  
名残折表    
第一 もののふの手柄と恋の物語 弓子  
第二 こがれて待てば風のおとづれ 可矢  
第三 黒髪の乱れも今はうらみにて 梅豊  
第四 誰に寄りそふ野の女郎花 純一  
第五 秋の嵯峨なびく千草をめでつるに 直人  
第六 はや鳴ききほふあまた虫の音 路光  
第七 月清み神代もかくやよろこばむ 初瀬  
第八 うつろふ雲はいかが見るべき 草芳  
第九 ほどもなく里に時雨ぞ降り初むる  
第十 窓を閉づればせばき世の中 弓子  
第十一 ことしげき昔も今はなつかしや 可矢  
第十二 繰るもはかなのしづの苧環 梅豊  
第十三 旅人の衣はうすし夏の日に 純一  
第十四 むすぶ清水をなににたとへむ 直人  
名残折裏    
第一 荒々の磐のかけみち木隠れて 路光  
第二 ふつつかに鳴くやまばとのこゑ 初瀬  
第三 夕されば霜さりげなく置く庵に 和雄  
第四 夜のしじまの降り積もる雪  
第五 白妙のぬれにし袖をあらためて 草芳  
第六 風もうららにいざや門出 可矢 かどいで
第七 たどり着く都大路の花の宮 弓子  
挙句 霞を注連の雲居なるらし 南天