むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何垣連歌(巻79、令和4年1月18日満尾)

2022年01月18日 | 作品集

(南天寫)

初折表  
発句 袖待ちて芹かうばしき汀かな 心敬
淡雪はらへ梅がはつ花 南天
第三 東風は手飼ひの寅にやさしくて 和雄
第四 かかぐる御簾に霞む山々 可矢
第五 都への旅のこしらへ果てもなし
第六 浮き立つ心なほいかにせむ 深峰
第七 見ればただ月は有明鴫の声 典子
第八 色香も深き露の白菊 純一
初折裏  
第一 やや寒き秋風野辺を吹きすぎて 直人
第二 煙たなびく村の遠近 弓子
第三 年古りし家並に人のありや無し 路光
第四 かはらぬものは森の常盤木 梅豊
第五 初瀬山み空に鐘の音をそへて 南天
第六 籠れば衣なに思ふらむ 和雄
第七 面影はくむ真清水にたちにけり 可矢
第八 徒しと知るも消えぬ胸の火
第九 降り濡つ涙の雨の草の庵 典子
第十 春の行方も月にかたらふ 深峰
第十一 いづくにか雲間の雁もおぼろにて 純一
第十二 さみどり匂ふ野辺ののどけさ 直人
第十三 散り舞ひて道まがふがに桜花 弓子
第十四 齢は老いぬ酔へばたまゆら 路光
名残折表  
第一 高砂の浦風かよふ岸波に 梅豊
第二 かぢこぐあまの小舟みえけり 初瀬
第三 朝な日にひたすら祈る歌の神 和雄
第四 硯ぞ今は友となりぬる 南天
第五 ひとり寝の庵の鎖しに唐衣
第六 逢はで帰さの心すさまじ 可矢
第七 錦木をあすは千束と立てならべ 深峰
第八 積もる朽葉に霰ふるなり 典子
第九 むら雲にたどる武蔵野冬枯れて 直人
第十 声なつかしく聞くみやこどり 純一
第十一 川の門の波ゆきあふも縁ならむ 路光
第十二 露にしをるる里の草草 弓子
第十三 四方照らす月は主の秋なかば 初瀬
第十四 さ夜のしじまに虫ぞ鈴ふる 梅豊
名残折裏  
第一 鄙ながらめづべき種は尽きざりき 南天
第二 珠衣ぬぎて心かろしや 和雄
第三 山なみも青の裾濃に雨晴れて 可矢
第四 色鮮やかに並ぶかはらけ
第五 吹く風もうれしく見ゆる春の空 典子
第六 柳のまゆや今ひらくらむ 深峰
第七 ここのへの池を鏡の花盛り 純一
挙句 天照る光つつむ国原 直人