むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何山連歌 ~猪苗代兼載翁追善 花の下~(巻102、令和6年4月21日満尾)

2024年04月21日 | 作品集

(南天寫)

初折表    
発句 さそふ風よわれば迷ふ花もなし 兼載  
ひともとざくら慕ふ言の葉  南天  
第三 水ぬるむ岸にたたずみ筆とりて 弓子  
第四 旅の中空はるかなる山 ヒサヨ  
第五 白き雲いづれの方をめざすらむ 正純  
第六 見えかくれゆく雁のなく声 梅豊  
第七 いざよひの月は軒端にとどまりて 路光  
第八 いとど露けき庭の八千草 直人  
初折裏    
第一 まだ霧もうすき帳といふべきに 南天 とばり
第二 苅田の道を歩む影あり 弓子  
第三 亡き人をしのぶ袖さへ色変へて ヒサヨ  
第四 常なき世にもただ雪ぞ降る 正純  
第五 年も今残りいくかの冬の市 妙子  
第六 しばしたたずみ君を思へり 梅豊  
第七 逢ふことも絶えてひさしき鄙の里 路光  
第八 ふた道ゆくと聞くぞくやしき  直人  
第九 明け暮れを涙にくるる乱れ髪 弓子  
第十 ふみ返さるるわれや板橋 南天  
第十一 福満つる寺へ渡良瀬いざわたれ 正純  
第十二 かの梅が香は国をへだてず ヒサヨ  
第十三 おぼろなる月もたうげの関こえて 梅豊  
第十四 ほがらほがらと春のあけぼの 妙子  
名残折表    
第一 をちかたの雲の行き来を見るままに 直人  
第二 何しに去りし人ぞ恋ひしき 路光  
第三 波の間にいもが面影浮かびゐて  
第四 またも通はむあふの松原  
第五 今日とてもいかで心を尽くさまし 深峰  
第六 うはの空なる山郭公 純一  
第七 おほかたをよしなしごとに夏の庵 草芳  
第八 雨の晴れては宿を立ち出でむ   
第九 浄めせよ辻のやしろの朝じめり 南天  
第十 笹にひそむやほそき虫の音 正純  
第十一 さをしかのおきふす跡に野はかれて 能阿  
第十二 ふけゆく秋の昆陽のいけみづ  梅豊  
第十三 月ひとりすむかと見えて舟もなし 妙子  
第十四 外つ国さすも夢にをはれり 直人  
名残折裏    
第一 つづらをり坂の上には青き雲 路光  
第二 きのふの雪にまろぶ片岨 かたそは
第三 風さむみ道をさまよふ旅衣  
第四 東に向かひ何を頼まむ 深峰  
第五 うたかたはぬるむ流れに消えもせで  純一  
第六 河辺ぞ柳うすみどりなる 草芳  
第七 暁に花の匂ひもかそけしな  
挙句 春の御寺をあそぶうぐひす 弓子  


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