むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦白何連歌(巻70、令和3年5月14日満尾)

2021年05月14日 | 作品集

初折表    
発句 逝く春に心なびくや藤の波 梅豊  
かすみて松も見ゆるむらさき 典子  
第三 朝ぼらけ囀る里を旅立ちて  
第四 傾ぶくしるべ道ぞけはしき 直人  
第五 谷川の水受けたるか荷のしめり 草芳  
第六 まなくも滝に玉や散りけむ 路光  
第七 照る月にあはれ置き添ふ萩の露 初瀬  
第八 草のかげより鈴虫の声 純一  
初折裏    
第一 秋寒みふるき衣も重ぬべし 典子  
第二 柴のとぼそに風ぞ吹き寄る 梅豊  
第三 待つ人はかれがれにだに来ぬものを 直人  
第四 思ひはせめて文になさばや  
第五 ひとすぢにしのぶ心の胸いたさ 路光  
第六 かひなき浦や玉藻刈る影 草芳  
第七 あま小舟敏馬の波は涼しくて 純一 みぬめ
第八 雲流るるも神のしるしか 初瀬  
第九 注連のうちにかしこき剣おはすらむ 梅豊 しめ
第十 うつる鏡に朧なる月 典子  
第十一 年経りし我が身和らぐ淡き雪  
第十二 のどやかなれや青みゆく野辺 直人  
第十三 とほがすみ花待つほどを嬉しみて 草芳  
第十四 山処の風に香をや尋むらむ 路光 やまと
名残折表    
第一 ふる寺の十声一声きこえけり 初瀬  
第二 迷ふ心を知るほととぎす 純一  
第三 貴人に文目も分かず思ひ初め 弓子 あやめ
第四 恋の重荷といふもことはり 梅豊  
第五 涙河袖につつめどせきあへず 典子  
第六 雨風凌ぐ大枝の下  
第七 君が代は千代にと祈る年の暮 直人  
第八 寒き軒にも煙立つらし 草芳  
第九 柴採るは山里人の習ひにて 路光  
第十 むなしき空に老のくりごと 初瀬  
第十一 なかなかの重き病は消えつべし 純一  
第十二 葛の葉裏をさらす秋風 弓子  
第十三 かたぶける月をや誰と明石潟 梅豊  
第十四 雁にし問はむ別れ路の跡 典子  
名残折裏    
第一 さを鹿の声に村雨降り添ひて  
第二 冬近しとや肌寒の庵 直人  
第三 峰に雲馴れし衣をつくろはむ 草芳  
第四 旅の覚えに記すひとふし 路光  
第五 舟は今ぬるむ波間を渡りつつ 初瀬  
第六 こち吹く風の朝のしづけさ 純一  
第七 咲き満ちて匂ひやかなる花の苑 弓子  
挙句 をさまる四方の日こそ永けれ 南天