むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦初何連歌(巻67、令和3年2月28日満尾)

2021年02月28日 | 作品集

初折表    
発句 梅が香の風あたらしきけはひかな 純一  
春野うららに鳴く百千鳥 梅豊  
第三 わたの原霞のうちに漕ぎ出でて  
第四 寄せくる波も白き真砂路 可矢  
第五 しま山は玉を連ぬる姿なり 和雄  
第六 草葉における露ぞきらめく 直人  
第七 打つ砧音も清けき夜半の月 典子 さやけき
第八 更くればややも寒き曲げ廬  路光  
初折裏    
第一 冬近し炉の灰均す備へせむ 素拙  
第二 野分の風に撓ふ篠竹 弓子  
第三 君をのみ思ひながむる夕間暮れ 梅豊  
第四 おぼつかなしやうちそぼつ袖  純一  
第五 のちの世をたのめば山もめぐるらむ 可矢  
第六 雲ひとむらに急ぐ帰るさ  
第七 時雨には雪もまじるや路の先 直人  
第八 ゆくにまかする老いの小車 和雄  
第九 生ひ末はことばの苑に遊ぶべし 路光  
第十 朧月夜をながめ明かさむ  典子  
第十一 囀りのいや増す宿り旅半ば 弓子  
第十二 みどり色添ふ野辺の若草 素拙  
第十三 咲く花よさのみな染めそ墨衣  
第十四 春日を鷲の御山とぞ見る 梅豊  
名残折表    
第一 鬼神は秋津洲また護るらむ 純一  
第二 歌にあはれをこむるをりふし 可矢  
第三 そこはかと内なる思ひ顕れて 和雄  
第四 はやも立つ名をしのぶくやしさ 直人  
第五 しがらみに寄する白波卯の花か 典子  
第六 世しも空ろと鳴けや筒鳥 路光  
第七 逢ひがたき仏に近く生まれ来て 素拙  
第八 心ととのへ仰ぐ尼寺 弓子  
第九 片岡の原野の道をあゆみつつ 梅豊  
第十 しづのみにしむ袖に木枯し 純一  
第十一 ひとつ橋下ゆく水や雲のかげ 可矢  
第十二 虫のうたげか庭の草むら  
第十三 月おそし露も宿りを待ちつるに 直人  
第十四 幾夕暮れの旅の秋風 和雄  
名残折裏    
第一 関の戸は山の霑りに朽ちてをり 路光 しほり
第二 麓に細き煙たちけり 典子  
第三 小舟こぐ波も豊けき夏の海 弓子  
第四 潮馴れ衣袖ぞ涼しき 和雄  
第五 むらさめに四つの緒の声さびしくて 純一  
第六 木陰になきや鶯の宿 梅豊  
第七 青柳は花の都になびきつつ 可矢  
挙句 車行き交ふけふの日永さ