むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何水連歌(巻104、令和6年6月12日満尾)

2024年06月12日 | 作品集

初折表    
発句 ふかみゆく香や夏草の朝戸風 梅豊  
青葉なびける庭のひと本 直人  
第三 ほとゝぎす遠き山より訪ひ鳴きて 弓子  
第四 沖つ白波舟揺るるまゝ 鑑   
第五 時なれば物見の旅に出で立たむ 路光  
第六 分くべき笹に露ぞおもれる 南天  
第七 空わたるさやけき月もかたぶきて 直人  
第八 初嵐かと聞くは四つの緒  弓子  
初折裏    
第一 霧晴れてあてなる袖も都路に 鑑   
第二 さても珍し国のくさぐさ 路光  
第三 なぐさまぬ言の葉ぞなき家の風 南天  
第四 訓へのふかさ知るはまことか 直人  
第五 憂き名さへよそながら見る物恨み 弓子  
第六 恋の焔に涙する寝屋 鑑  ほむら
第七 逢ふことのかれて久しき霜の里 路光  
第八 道絶えよとや雪げもよほす 南天  
第九 彼の岸へわたす舟だになきものを 直人  
第十 月はおぼろに昇る暮れ方 弓子  
第十一 せゝらぎに若鮎跳ぬる広野原 鑑   
第十二 袖あたゝかき風もことわり 南天  
第十三 散りまがふ花につゝまれ寝ぬる夜や 路光  
第十四 なほざりならずなど過ぐしけむ 深峰   
名残折表    
第一 あだなると契のすゑを誰ぞしる 純一  
第二 色うつろふも見えぬ心根  
第三 思はずもふり敷く四方の白雪に 妙子  
第四 簾を上げて仰ぐ山並み ヒサヨ  
第五 いのりこし三輪の神杉たづねてむ 梅豊  
第六 しでうちなびく清き広前 直人  
第七 駒止めて水飼ふ沢に雲の影 弓子  
第八 岸辺をつたふ道ぞ遠かる  
第九 くれなゐは夏の形見と夕づくひ 南天  
第十 経れば深草野とやなるらむ 路光  
第十一 秋風に我も鶉となきをりて 深峰  
第十二 露のごときかいのちはかなし 純一  
第十三 仮寝する枕の上の雨の月  
第十四 葺かぬ軒にぞ紅葉かつちる 妙子  
名残折裏    
第一 作りゑにいろどる筆のかず添へて 専順  
第二 ありなし雲を残す山の端 梅豊  
第三 をしの影弱き光のさす池に 直人  
第四 冬や来ぬらむ橋の初霜  弓子  
第五 暮れ果つる静けき村に鐘なりて  
第六 野に若草の匂ひをぞ踏む 南天  
第七 老木さへ心のままに花満てり 和雄  
挙句 そへ歌詠むも春のよろこび 路光