むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦朝何連歌(巻105、令和6年7月27日満尾)

2024年07月27日 | 作品集

初折表    
発句 五月雨のあはひ眩しき日向かな 路光  
青葉しげれる岡の通ひ路 直人  
第三 なつかしき空蝉高く鳴き立ちて 深峰  
第四 思はぬ風ぞ野をば渡れる 妙子  
第五 帆をかけよ旅の船出やころならむ 弓子  
第六 波ひやゝかに頻る湊江 南天  
第七 天霧れど残る有明なほ著し 和雄  
第八 いづこを指すか雁のひとつら 純一  
初折裏    
第一 帰るさの里の辺りに鹿の声  
第二 尾花や露に乱れ臥すらむ   
第三 つれもなき人待つほどに袖ぬれて  梅豊  
第四 うつろひはてむ恋ぞ悲しき ヒサヨ  
第五 耳なるる誓ふ言の葉くぶる火に 直人  
第六 室の八島のけぶり立つまで 路光  
第七 おほみわの社の森よしるしあれ 妙子  
第八 門に知られぬ雪ぞ降りける  深峰  
第九 更くる夜の霜の白きはたゞならで  南天  
第十 凍つる山路の月の寒けさ 弓子  
第十一 我が身をば思へば憂き世いかがせむ 純一  
第十二 うぐひす語れあたらいにしへ 和雄  
第十三 花の舞ふ汀しづけき須磨の浦   
第十四 霞隠れに藻塩焼く衣 きぬ
名残折表    
第一 ともかくも云はば心やあらはれむ 専順  
第二 まきの柱に差し入れし文  梅豊  
第三 恋ひ恋ひて馴れし宿りも今はとて  路光  
第四 などほとゝぎす忍び音に鳴く 直人  
第五 白妙の卯の花山ははるけきに 深峰  
第六 竹の葉風の匂ひ洩る袖  妙子  
第七 大堰川波にたゆたふ雲の影  弓子  
第八 棲みし桂の里も寂びてき  南天  
第九 ねんごろに常の燈かゝげつゝ  和雄  
第十 老いの身にしむ松虫のこゑ 純一  
第十一 旅立ちし都の秋はいかならむ  
第十二 野に賑はふは八千草の花  
第十三 月影は玉なす露に映ろひて 梅豊  
第十四 庭ぞいろなき風ものこらぬ ヒサヨ  
名残折裏    
第一 行く水の音のみすなる静けさに 直人  
第二 しばし休らふ岸のをし鴨 路光  
第三 降りいづる帷子雪も寒けしな 妙子 かたびらゆき
第四 ひとへに頼む爪木とる道 深峰  
第五 片山のたそかれにしもあらなくに 南天  
第六 霞たなびく里ぞ穏しき 弓子  
第七 散ることを知らぬといふか花ざかり 純一  
挙句 み空もゆかし春のたまゆら 和雄