むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何垣連歌(巻28、平成30年4月28日満尾)

2018年05月20日 | 作品集

   
       
初折表    
発句 山吹の香もなつかしや八重の色  
蛙の声もかすむ夕暮れ 可矢  
第三 中空をつばめの遠く飛びさりて 梅豊  
第四 袖うちなびくあたたかき風 南天  
第五 ふもと道足並みゆるむ旅衣 素拙  
第六 ゆたにたゆたに野水あふるる 初瀬  
第七 望月を尾花がくれの池に見て 梅豊  
第八 露踏みわけてそぞろ巡らむ 素拙  
初折裏    
第一 雨霽れぬゆく雲はやき秋の原 可矢  
第二 落つるはいづく雁のひとつら 初瀬  
第三 ひねもすに玉章のみを待ち侘びて 梅豊  
第四 硯もうとき恋のつれづれ 南天  
第五 誰も我が心のほむら消せはせで  
第六 棄てし昔をしのぶ墨染 可矢  
第七 深山にもせみ鳴き初むる頃やらむ 梅豊  
第八 匂ふあやめは谷よりの風 初瀬  
第九 静まりて石も眠れる庭景色 素拙  
第十 夢におぼろの月のぼりけり 可矢  
第十一 春の夜は仏も光和らげて 南天  
第十二 教へを垂るる野辺ののどけさ 梅豊  
第十三 み吉野に花白波と寄するらむ 初瀬  
第十四 ほの聞こゆるはうぐひすの声  
名残折表    
第一 旅行けば都まれなる心地して 純一  
第二 ひとりさびしき草の枕か 梅豊  
第三 うたたねの夢に出でよと思ゆるに 初瀬  
第四 あくる朝の袖しとどなり 可矢  
第五 君かよふ雪の下路とづるらむ 南天  
第六 凍つる池面に鴛鴦ぞ寄り添ふ 素拙 をし
第七 いかばかりうちほほゑまむ猿田彦 純一  
第八 さすがよしある笛の手づかひ 初瀬  
第九 百年を祖のをしへと伝へきて 可矢  
第十 薫れる風に幟はためく 素拙 のぼり
第十一 城守るもいくさの道といいながら 南天  
第十二 ころあひよろしすだく松虫 純一  
第十三 わが胸に鐘すみわたる長谷の月 初瀬  
第十四 紅葉を焚きて新酒を酌む 素拙  
名残折裏    
第一 命のぶる菊の香りもただよひて 可矢  
第二 秋もいまはの里ぞゆかしき 南天  
第三 をちこちに夕餉のけぶり立ち昇り 素拙  
第四 とく越えまほし山の辺の関 純一  
第五 うらやまじ帰る雁北指して 可矢  
第六 うすぐれなゐに如月の空 初瀬  
第七 花いく重水面に影や映ゆるらむ 南天  
挙句 歌の筵はあたたかき寺 純一