むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何心連歌(巻83、令和4年5月25日満尾)

2022年05月25日 | 作品集

(梅豊寫)

初折表    
発句 うちしめり香も紫や花あやめ 梅豊  
軒のしづくは涼しかる色 純一  
第三 ほととぎす一声残し消え失せて  
第四 野末うるほす雨ぞしづけき 和雄  
第五 出立ちの晴れの衣も馴れぬべし 路光  
第六 袖に吹きこす秋の初風 直人  
第七 清みまさる遠の山より月の影 弓子  
第八 鹿のさ迷ふ明けやらぬ里  
初折裏    
第一 いづくにか浪の荒磯聞こゆらむ 純一  
第二 海と陸との間おぼほし 路光 あはひ
第三 分きてその心や見ゆる君の面 和雄  
第四 届く浮き名に胸の塞がる 弓子  
第五 さりともと待てば袂の霜もうし 直人  
第六 訪ふ人もなき雪の通ひ路 純一  
第七 長旅の日暮らし酒を友として  
第八 いつまでつづく老いの山坂 和雄  
第九 ふるほどに心の夢や覚めざらむ 路光  
第十 月はおぼろに鐘ぞかそけき 直人  
第十一 水温む岸をたゆたふ舟の影 弓子  
第十二 淵の若鮎跳ぬる多摩川  
第十三 桜花こちふく風に散りやらで 純一  
第十四 ときは今とぞ御幸待ちつる 路光  
名残折表    
第一 民も来て願ひひとつの神祭り 和雄  
第二 天つ乙女の曇りなき舞 弓子  
第三 羽衣のうすき心と知りもせで 直人  
第四 かさねもあへぬ仲ぞくやしき 南天  
第五 燃え上がる思ひのたけを伝へばや  
第六 またこりづまに短か夜の夢 純一  
第七 軒ちかき花橘の風のすゑ 路光  
第八 青葉に落つる滝川の水 和雄  
第九 煙立つ浅間の山路分け入りて 弓子  
第十 ひぢ笠の雨急ぎてもなに 直人  
第十一 鈴虫を獲てこそ去なめ小笹原 南天  
第十二 待つやゆくてに野のをみなへし 梅豊  
第十三 月はただきぬぎぬの袖照らしけり 純一  
第十四 社の庭も夜寒なるらむ  
名残折裏    
第一 そこはかとくゆる墨の香ゆかしくて 和雄  
第二 障子めぐらし思ひ物読み 路光  
第三 時雨かとひさしの音を聞くままに 直人  
第四 田鶴渡り来て息ふ水海 弓子  
第五 横雲の峰にわかるる夕まぐれ 梅豊  
第六 目に山ぶきのたつも衣更着 南天  
第七 盃を交はす宴に花ぞゑむ  
挙句 光はみちぬうららなる頃 純一