むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何世連歌(巻63、令和2年11月28日満尾)

2020年11月28日 | 作品集

初折表    
発句 降る雨に愁ふがごとき千草かな 梅豊  
野はやや寒く急ぐ袖笠  典子  
第三 虫の音を旅の枕にとめおきて 初瀬  
第四 遠き山の端ひかる望月 弓子  
第五 風吹かば笹原なにと応ふらむ 和雄  
第六 いでそよ波も同じ香りか  草芳  
第七 凍つる日を浮きつ沈みつかもめ鳥  可矢  
第八 白雪の舞ふひなびたる里 純一  
初折裏    
第一 厨より夕けのけぶり棚引きて  
第二 安きくらしに笑顔はじくる 素拙  
第三 かたらひし思ひはふたり重なるや 直人  
第四 松はあひおひ願ふことぶき 路光  
第五 かたくとも心しあれば添ふものを 南天  
第六 遠き舟路へ今ぞ出でける 梅豊  
第七 ひたぶるにみ法伝ふる聖にて 草芳  
第八 明け早やからむ山の奥寺 弓子  
第九 朝まだきなごり涼しき月の影 純一  
第十 ひと声ほしき本時鳥 和雄  
第十一 老ゆる身に連ね歌こそ命なれ  
第十二 のどけき春にこころ浮き立つ 典子  
第十三 玉垣にしづかに匂ふ花の枝 初瀬  
第十四 いさら小川に蝶ぞ舞ひ飛ぶ 梅豊  
名残折表    
第一 旅の空流るる雲に夢語り 素拙  
第二 添ひとぐる人あるやあらずや 直人  
第三 頼み来し恋路も関にとざされて 南天  
第四 むなしき夜に袖の村雨  
第五 奥山に鹿なく声や聞こゆらむ 梅豊  
第六 仙石原に揺るる穂すすき 弓子  
第七 斎庭には色こき紅葉あてなりて 純一  
第八 神の遊びに御酒たてまつれ 可矢  
第九 時わかずよしなしごとを語らばや 和雄  
第十 たまたま吹くも風ぞ春なる 初瀬  
第十一 見ず知らぬ宿の月影あたたけし  
第十二 あは雪軒に消えて幾ほど 南天  
第十三 あだし世に人の情けは恃まれじ 路光  
第十四 誓ひの舟ぞ明日はつくべき 直人  
名残折裏    
第一 ほころびし旅の衣も景色にて 初瀬  
第二 をちかたからはあはれなる笛 純一  
第三 かはほりの谷のねぐらに急ぐ夕  
第四 雲にかくれぬ山のかけ橋 可矢  
第五 川水の流るる岸は浅みどり 素拙  
第六 日ざしやさしき里ののどけさ 直人  
第七 花は今とよあしはらにみちみちて 純一  
挙句 まうづる影に佐保姫のゑみ