むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何木連歌(巻88、令和5年1月22日満尾)

2023年01月22日 | 作品集

初折表    
発句 老松も仄とあかむや今朝の春 路光  
野に分け入りて若菜摘む頃  
第三 あらたまの卯杖とりもつ九重に 直人  
第四 この御世のためみてる幸 純一 さいはひ
第五 漕ぎ出だす舟指し行くや沖つ島 弓子  
第六 波しづかなり異浦の秋 梅豊  
第七 鏡にもすむ月影のたゆたひて 初瀬  
第八 衣も擣たぬつれづれの夜や 南天  
初折裏    
第一 嘯けば軒のすずむし声添へむ 和雄  
第二 露の寒きにふるふ叢草 路光  
第三 外つ国に続くいくさぞ恐ろしき  
第四 待てど帰らぬ人の恋しさ 直人  
第五 日折の日ほの見し顔の忘られじ 純一  
第六 心なしやのうす墨の文 初瀬  
第七 映し絵に鳳つばさひろげたり 梅豊  
第八 舞ひ遊べよとさやぐ笹原 和雄  
第九 ゑひはてゝうち敷く草ぞ芳ばしき 南天  
第十 宿行く道に朧なる月  
第十一 初申の春日祭に使ひして 路光  
第十二 大内山はのどかなりけり 純一  
第十三 咲く花を木がくれてのみ見るもうし 直人  
第十四 身のなる末ぞさていかゞせむ 梅豊  
名残折表    
第一 ひたすらに八巻の法をとなへつつ 初瀬  
第二 誓ひの舟やなほたのままし 南天  
第三 風吹けば波の立ち居もさまざまに 和雄  
第四 添ひつ離れつ遊ぶ鴛鴦 弓子  
第五 明日もまた待ちし通ひ路忘るなよ  
第六 しのぶ情をせくや関守 路光  
第七 こりずまに想ふ仲をば許されて 純一  
第八 濡れし袂は雨の名残ぞ 直人  
第九 蝉の羽の衣もすゞし夕つ方 梅豊  
第十 雲をそめゆくあかねくちなし 初瀬  
第十一 連れ立ちて見ばやな山の近まさり 南天  
第十二 かせぎの声ぞなにか身に沁む 和雄  
第十三 月宿るもみぢ下葉の玉の露 弓子  
第十四 宮居の庭は夜寒なるらむ  
名残折裏    
第一 道のほど泥めばいかが過ぐしてし 路光  
第二 流るるばかり白雲の帯 純一  
第三 遠山は雪げの空につつまれて 直人  
第四 沢辺ぞ未だうは氷する 梅豊  
第五 川下は水もぬるむや浅き春 初瀬  
第六 友うぐひすの音こそ待たるれ 南天  
第七 初花にあまぎる霞たちそひて 和雄  
挙句 笑む佐保姫の招くむさしの 弓子