むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何船連歌(巻4、平成28年9月24日満尾)

2018年02月10日 | 作品集

初折表

   
発句 山河の景色変へたる野分かな 素拙  
残る匂ひの菊もそのまま 南天  
第三 都にはもみぢの錦てりはえて 梅豊  
第四 かすかに聞こゆ細き虫の音 純一  
第五 月はなど雁をもまたでくもるらむ 初瀬  
第六 にはかの雨の降りしきる里  
第七 杣宿に折り焚く柴のうすけぶり かず  
第八 道のほとりの草もかれつつ 和雄  
初折裏    
第一 夕間暮破れし衣の見えかくれ 素拙  
第二 わすれ置きたる旅の古笠 南天  
第三 川の門をわたる小舟に風涼し  
第四 恋せむとてや鳴くほととぎす 初瀬  
第五 したこがれ文目もわかぬころすぎて 梅豊  
第六 思ひのほかの君のつれなさ 和雄  
第七 せめて今はかなき世をぞ離れたき 純一  
第八 仏の道に教へ尋ねむ 素拙  
第九 むらさきの藤袴さく山の寺 梅豊  
第十 庵のとぼそに宿る月影  
第十一 遠里の砧の音も絶えはてて 和雄  
第十二 神のみぞ知る身のおきどころ 初瀬  
第十三 花守はひと枝折るもとがむらむ 南天  
第十四 酌めどつきせぬ春の永き日 純一  
名残折表    
第一 かぎろひのもゆる大野にまろ寝して 和雄  
第二 さても起きよと鶯の声 初瀬  
第三 年経りて思ひあらため琴ぞ出す  
第四 絶えにし仲の縁ともなれ 素拙  
第五 我が妹の片敷く袖のかをるらむ かず  
第六 ひたふる雪にとけぬ下紐 梅豊  
第七 北風に重荷もつ手のかしかみて 路光  
第八 旅行く空を走るむら雲 直人  
第九 引きはぎの多き鈴鹿の山路に  
第十 とだえてはまた駒のいななき かず  
第十一 松原の遠きに揺るる漁舟 純一  
第十二 涼しき宵に波ぞ寄せくる 直人  
第十三 逝く夏を惜しむや月を友として 路光  
第十四 庵の柱に歌のひと筆 南天  
名残折裏    
第一 をみなへしにほふばかりに咲きにけり 梅豊  
第二 ひときは澄めるひぐらしの声 素拙  
第三 白露にしとどに濡れる狩衣  
第四 わたる深山の道ぞけはしき 路光  
第五 谷川の水や温みぬ掬ふ手に 梅豊  
第六 下枝上枝に遊ぶうぐひす  
第七 散りまがふ花をまぢかにあふぎみて 直人  
挙句 のどかに寿ぐる杭全の斎庭ゆには 純一  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿