むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦初何連歌(巻106、令和6年8月12日満尾)

2024年08月12日 | 作品集

初折表    
発句 蝉こゑも風さへ暑き野末かな 和雄  
木々の隙より夏の日の影  弓子  
第三 片岸の岩の清水に手をひぢて 路光  
第四 はるけき峯に雲のかけはし 純一  
第五 山越ゆる雁行く方に出で立たむ  
第六 露おき初むる果てもなき道  和雄  
第七 さ迷へばいらかに月のかかやきて 弓子  
第八 咲くはここぞと香る白菊 路光  
初折裏    
第一 いづこへか駒の足音かろやかに  純一  
第二 空晴れわたり光るみづうみ 直人  
第三 竹生島はるかにのぞむ舟こぎて 梅豊  
第四 君へ届けと珠の四つの緒 弓子  
第五 みるままになびきひかるる恋衣 和雄  
第六 馴れし通ひ路雪な隔てそ  純一  
第七 うち泥み忍ぶ心ぞ憂かりける 路光 なずみ
第八 しばしやすらふ旅のひととき 梅豊  
第九 しるべすらかたぶき朽つる山里に 直人  
第十 朧にうかぶ手枕の月 和雄  
第十一 思はずもこちふく風におどろきて 純一  
第十二 音もうららかに来鳴くうぐひす  直人  
第十三 咲きしより訪はぬ日ぞなき花の色 梅豊  
第十四 ふるの社にすゑ祈るべし 純一  
名残折表    
第一 鎮まりし池の鏡もさやけしな ヒサヨ  
第二 道行くほどにくれわたる空  
第三 柴人やいづくをさして急ぎけむ 深峰  
第四 時雨もやする深山辺の奥 南天  
第五 冴ゆる日の衣手うすし草の庵 弓子  
第六 いまは枯野の襲ともがな 梅豊  
第七 しののめのきのふにかはる松の風  
第八 ふりにし身にも秋は来にけり 直人  
第九 虫の音のなほぞ侘びます宿りなる 和雄  
第十 霧の籬に見えぬ古寺 純一  
第十一 山踏みに人訪ふことは難からむ 路光  
第十二 恋しかるべき百合の花影 ヒサヨ  
第十三 月も憂し忍び通ひの夏衣  
第十四 ふり出でて行く名残やはなき  深峰  
名残折裏    
第一 辻々はけさ立つ市に賑はひて 南天  
第二 浮き雲見ゆる里のをちこち  弓子  
第三 雪気さへもよほす野辺の風さむみ 梅豊  
第四 暮れゆく嶺やまだ冬のいろ  
第五 舟ひとつ泊りもとむる水際に 直人  
第六 霞敷くなる波ぞのどけき  和雄  
第七 寄せ返す袖の香もあり花の春  草芳  
挙句 てふも来たれや内の御園生 路光