マダム・クニコの映画解体新書

コピーライターが、現代思想とフェミニズムの視点で分析する、ひと味違う映画評。ネタバレ注意!

あの頃、エッフェル塔の下で

2016-01-19 | 映画短評
2015年、フランス、アルノー・デプレシャン監督、

マチュー・アマルリック主演。ほろ苦い青春時代の恋の思い出を描いた、いかにもフランス的な映画。

3部構成だが、それぞれの関係性は濃密ではなく、それとなく匂わせているだけ。
 しかし、伏線になっているような気にさせるところが粋だ。

 だらだらと遠距離恋愛が続き、眠気と戦うことになる。
自己中心的な2人なので、浮気も仕放題。
共感できないが、可愛げがあり、別れの予感をしつつ、見守ることに。

 人類学者にして外交官という、華やかな職業を持つ主人公は、レヴィ・ストロースの著作やユリシーズなどに言及し、知的な会話が魅力である。
加えて青年時代の彼を演じる俳優はかなりのイケメン、将来が楽しみな演技派だ。

 エピローグでブチ切れし、哀感漂うラストとなる。
 なーんだ、ただのロクデナシだったのか?

 笑えるシーンが多く、初映画に相応しい爽快な1本。
 ★★★★(★5つで満点)

トップページヘ

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。