マダム・クニコの映画解体新書

コピーライターが、現代思想とフェミニズムの視点で分析する、ひと味違う映画評。ネタバレ注意!

スタンドアップ/北への挑戦

2006-02-24 | 映画分析
 原題は「 North Country 」。北の帝国(家父長制資本主義)に対する、南の国から来た移民(弱者=女性)の異議申し立てがテーマ。  原作はノンフィクションの「集団訴訟」。米国で1984年に訴えを起こし98年に結審、「セクシャル・ハラスメント法」制定のルーツとなった訴訟に基づいている。 スタンドアップ  主人公のジョージーは、家父長制資本主義の犠牲者だ。  家父長制とは、男性が女性 . . . 本文を読む

かもめ食堂 /ガラスの壁 

2006-02-16 | 映画分析
道路に面した食堂の大きなガラス窓と合気道・・・。この映画のエッセンスはそこに詰まっている。  滅多にないのだが、至福の映画がある。できることならいつまでも観ていたい・・・。本作は、そんな気分にさせてくれる貴重な逸品だ。 かもめ食堂  このところ、女性ならではの視点で撮った若手監督の作品が注目を浴びている。この映画もその一つ。荻上直子(「バーバー吉野」「恋は五・七・五!」)の第3作だ。フィンラ . . . 本文を読む

単騎、千里を走る/仮面の告白

2006-02-04 | 映画分析
母の喪失を巡る、父と息子の確執~修復の物語。日中それぞれ1組の父と息子のドラマをダブらせて、人とのコミュニケーションという普遍的なテーマを描いている 。 単騎千里を走る (ネタバレ注意!!)タイトルの「単騎、千里を走る」は、「三国志」の仮面劇の演目。後に蜀帝となる劉備の義弟・関羽が、劉備の妻子とともに敵の曹操に捕まるが、劉備への仁義を守り、ただ一人で劉備の妻子を助けて脱出、劉備のもとへ帰 . . . 本文を読む