マダム・クニコの映画解体新書

コピーライターが、現代思想とフェミニズムの視点で分析する、ひと味違う映画評。ネタバレ注意!

ガンバレ!女性監督

2005-11-24 | 映画について
 映画の歴史が始まって100 年経つ。草創期には、欧米でも女性監督が男性と肩を並べて活躍した時代があったが、映画産業のスケールが巨大化するとともに、監督を始め、俳優を除く主だった職種から女性は排除され、男性の独占場として定着してしまった。  昨今の状況を見ると、わが国でも映画学校や映画学科などが増え、監督をめざす女性の進出がめざましい。卒業制作のコンペ受賞者数では、女性が男性を上回る年もあるよう . . . 本文を読む

2005年映画鑑賞覚書より その3 (★5つで満点)

2005-11-22 | 観賞記録
・エメラルド・カウボーイ ★★★★ メモ / 男のロマン/実話ならではの迫力/コロンビアという国の実情/音楽のすばらしさ エメラルド・カウボーイ ・バス174 ★★★★★ メモ/差別の構造/ 秀逸なドキュメンタリー/「シティ・オブ・ゴッド 」の背景の掘り下げ バス174 ・ 殴者 ★★★★ メモ/存在の光と影 /コミュニケーションのズレ/グラディエーター+近松 /スタイリッシュな映像 殴者 . . . 本文を読む

歓びを歌にのせて /音楽はメシアだ

2005-11-16 | 映画分析
 いわゆる音楽スポ根ものとはひと味違う。シリアスなシーンも多いが、終局は9.11後の世界のあるべき姿を提示しているようにも感じられ、深い歓びが湧いてくる傑作だ。 歓びを歌にのせて  名声を手にしたスエーデンの世界的な指揮者&作曲家ダニエルは、身を削るような集中力と過密スケジュールが災いし、演奏会で倒れてしまう。彼は孤独のうちに引退して、7歳のときに離れた故郷の小さな村に引きこもるが、村人には故郷 . . . 本文を読む

チャーリーとチョコレート工場/母の不在

2005-11-05 | 映画分析
(ネタバレ注意!)  大人のための毒気に満ちたメルヘン。資本主義にどっぷり浸かっている現代人を批判しているが、その底流には、不在の母に対する飢餓感がある。 チャーリーとチョコレート工場   ウォンカは、歯科医の父が彼の歯を守るためにチョコレートを燃やしたことに腹を立てて、少年時代に家出。長じてから一念発起してチョコレート工場のオーナーになった。  ところが、余りにも成功したため同業者のねたみを . . . 本文を読む