マダム・クニコの映画解体新書

コピーライターが、現代思想とフェミニズムの視点で分析する、ひと味違う映画評。ネタバレ注意!

紙屋悦子の青春/死者からの便り

2006-06-28 | 映画短評
 今年4月に亡くなった黒木和雄監督の戦争レクイエム4作目。多くの人に観ていただきたいすばらしい作品である 紙屋悦子の青春  家族や友人の多くが戦争で死んでいったなか、生き残った者たちの痛恨の思いを綴った秀作。  最近、これほど笑って泣いた作品はない。  現代に生きる老夫婦の回想による、戦時下の恋物語。  特攻隊を志願した少尉が、好きだった女性を親友に託す。  老夫婦は、その女性と親友 . . . 本文を読む

フーリガン/暴力の構造

2006-06-07 | 映画分析
マッチョ礼賛、暴力、男同士の友情を描いた迫力満点のバイオレンス映画を、若くて美しいドイツ人の女性新人監督が作った。  リアリティのある美しい映像、説得力のあるスピーディーな展開。暴力について、深く考えさせられる秀作である。 フーリガン  私はサッカー観戦が大好き。だから、フーリガンにも興味津々。  Jリーグ開幕直前の1993年3月、仕事で女子サッカーの有力チームの取材をした。  そのチームには . . . 本文を読む