マダム・クニコの映画解体新書

コピーライターが、現代思想とフェミニズムの視点で分析する、ひと味違う映画評。ネタバレ注意!

東京家族/幸せ家族?

2013-01-26 | 映画分析
   モチーフとなっている小津安二郎の名作『東京物語』が、高度経済成長期の家族関係の苛酷な状況を描いているのに対して、本作はどこかふわっとした浮遊感が漂う。絵空事のような幸福感に満ちている、といってもいい。  社会派ドラマでは、リアリティに欠ける点が少しでもあると、私は冷めてしまう。本作はまさにそう。何だか嘘っぽくて、生活感に欠けている。 . . . 本文を読む