
仙台で発行されている『文化が息づく大人の情報誌 りらく3月号』に、『絵本 湾』が紹介されている(すでに、ツイッター、フェイスブックではお知らせした)。
編集部による紹介の文章は、とても有り難いものである。
編集部による紹介の文章は、とても有り難いものである。
「同人詩誌「霧笛」の編集責任者を務める気仙沼市在住の詩人千田基嗣氏は、これまで自身の詩集『湾(~Ⅲ)』に気仙沼の海、そして海辺に暮らす人々への思いをつづってきた。一方、本誌「日常茶飯絵」でおなじみのイラストレーター山本重也氏は大阪府出身。仙台に暮らしていたが、気仙沼の風景に魅せられ、2023年5月に気仙沼市に移住した。気仙沼の風景に惹かれたふたりのアーティストが共鳴し、生まれたのがこの絵本である。
「細かな波にきらきら光が映る」(光る海)、「地の底から湧き出るような暗い水」(水と月)―千田氏の言葉に、海はこんなにたくさんの”顔“があったのかと気づかされる。東日本大震災の後、見た景色に祈りを捧げる一編も。全14編が収められている。
一つひとつの詩に、山本氏がみずみずしい筆致で描いた水彩画を添える。鮮やかな、そしてときに深い青には、見ても見飽きない不思議な魅力がある。夕焼けの赤、月光や電灯の黄色、水面に映るさまざまな色が、海のもつたくさんの顔を教えてくれる。引き込まれてページを繰る手が止まるとき、幼いころ眼前の海に圧倒されてしばらく動けなかった感覚を思い出す。
「海」という存在が当たり前になっている人にこそ読んで欲しい一冊。」(p.84)
ルール違反かもしれないが、つい全文を引いてしまった。ご容赦いただきたい。これほどにこの絵本を、正確に読み込んで表現していただけるとは、評者の力量に敬服するばかりである。この書評を読んで、改めてこの絵本を作って良かったとしみじみと思わされた。感謝しかない。
山本重也氏との出会いにも感謝である。
いま、妻とふたり、「朗読ユニット千田基嗣+千田真紀」を名乗って、この絵本の作品を中心に朗読活動を行っている。私たちのライフワークといっていいだろう。先日も、西宮市における神戸と気仙沼の合同展の場で朗読の機会をいただいた。こういう人生の成り行きにもまた感謝である。

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