ミルキーウェイにぶら下がって
流れていくきらめきを眺める
年に一度の逢瀬を想像して
ため息をつく
牽牛織女の恋
ほとんど引き裂かれた恋
これは終わった恋の物語
永遠に続く終わった恋
悲しみですらない
透明な冷たい
肉体を失った
視線だけ残した
夜空の向こうに
輝く無数の星のはてに
漆黒の空漠が拡がる
ミルキーウェイにぶら下がって
ブランコに乗って
年に一度の逢瀬をひたすら待って
私の
ではない
かれらの
逢瀬をひたすら待って
流れるきらめきを眺めて
息を殺してじっと待つ
私は待つもの
私は見るもの
私は逢うことのないもの
私は動かないもの
ほとんど呼吸をしないもの
ほとんど生きていないもの
冷たいミルキーウェイにぶら下がって
冷たい血を流して
体内を冷たい血が循環して
したたり落ちて
冷えきった(他人の)逢瀬を懐かしみ
冷えきった(他人の)逢瀬を待ち焦がれる
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