本読みの時「本と喋る」のはNG。演技を決定するのは台本ではない、相手役だ。台本上の己のプランを上位に置くと相手の演技に活きた反応が出来ず、その癖は立ち稽古になっても残り続ける。どうしても噛み合わなければ演出家の指摘があるだろう。臨機応変の対応こそが劇をスリリングにする活力なのだ。
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戯曲全体に「劇的」を期待するな。優れた戯曲の構成は山場が少ない。冒頭の伏線張りから静かに緊張感が高まり、前半の山場を越えて徐々に弓弦を引き絞る如く上昇し、遂に劇的に矢が放たれる。これがカタルシス。ところが殆どの役者は自分の出番を劇的に演じたがる。劇はジェットコースターじゃないよ。
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