ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

佐々木中 らんる曳く 河出書房新社

2014-07-29 22:27:49 | エッセイ
 2013年11月初版、「震災以後」恋愛小説の決定版、と帯にある。さらに、  「災厄の日から二年。最愛の女(ひと)を失った男は、堕落の道を歩み始めた-」  ふむ。  小説の冒頭は、こんなふうに始まる。  「内も外も、出口なき砂漠のなかを罵りわめきながら、往きかふ果てしないひとの群、そのなかを縫って、腐れかゝつた抱擁が溶けさる骨を汚すのだ。内も外も、鎖が切れるまでつゞけられるこのうごめき、そ . . . 本文を読む