型破りな
っていうと誉めているみたいだけど
作業を進めるためには
様式は統一されていたほうがいい
型を破られると
作業がはかどらない
自由であること
あらゆる局面で
あらゆる意味で
自由は保障されなければならない
というのは
ちょっと違うんだろうな
基本的人権としての自由
ということばは
なにかやはり定義があるんだな
基 . . . 本文を読む
ごくごく自然な成り行きを
当然のように積み重ねて
おりおりに記録を残して
区切りをつけて
形にして
公開しておく
その後の成り行きは
それまでの成り行きの延長として
素直に展開していくはず
一定の駆動力はついているので
ごく自然に流れていく
あたかもそこに人為はなかったかのように
自然に流れていく
ものごとを成すとき
その . . . 本文を読む
いっときのパフォーマンスのために
これまで長い時をかけて築いた
これから生まれてくるものたちのために
長く役割を果たすべき場所が
破壊されたら
未来のためにぼくらはどう釈明すればいいのだろう . . . 本文を読む
昨日昼間夢を見た
白昼夢
太陽はまぶしく空は青かった
白い雲も浮かんでいた
ぽっかりぽっかりぽっかりと三つ
空を見上げていると
足下がおろそかになる
道に石ころが落ちていたりする
つまづく
ひっころぶ
転倒する
頭を強打する
とそれが夢だったと
歩いて帰る道すがら
草を一本引きぬいて
風を切りながら
鼻歌を歌う
ふんふんふんふんふ~ . . . 本文を読む
カントの時代の時計はどれだけ正確だったんだろう
毎朝必ず同じ時刻に散歩に出かけ
同じ速度で歩き
同じ時刻に同じ場所を通過したという
カントの現れる時刻に合わせて時計の遅れを修正したとか
携帯電話は
電波で正しい時刻に合わせるので
手動で修正する必要がない
まったく正確な時間をわれわれは手に入れたことになる
ぼくらの小さな頃は
手巻きゼンマイのチク . . . 本文を読む
夢を語らないことに慣れたひとびとっていうのがいて
それはとてもつまらない話だ
荒唐無稽な
ではなく
それなりに計算もされて
実現可能な範囲で見ている夢というものがある
慣れないひとには荒唐無稽と見えてしまうのだろうが
決してそんなことはないのに
あえて小さく小さく
身の丈に合わせて
ということかもしれないけれども
ま . . . 本文を読む
親の遺産を使い切って
ほうけて空を眺める
腹が減った
夢を見る
仙人が現れて
夢を与える
オッケー
魂でも何でも売り渡すぜ
今がよければ何でもいい
大金持ちになって
飲んだり食ったり
酒池肉林の3年間を暮らす
そして財産を使い切って
またほうけて空を眺める
腹が減った
また仙人 . . . 本文を読む
おまえを見ていた
ずっと
見ていた
肩にかかる髪を見ていた
セーラー服の後ろ姿を
ずっと好きだった
あの頃から
この頃まで
今は
そうでもない
きみを見ていた
ずっと
見ていた
ラケットから打ち出す
白いボールを追っていた
今は
興味がない
. . . 本文を読む
生きていくうえで
ほんとうの考えがあり
うその考えがある
なにがほんとうで
なにがうそか
だれでも分かるような分かりやすい答え
そんなのがあるのか
そんなのはない
そんなのはないけど
あるように考える
そんなのはないけど
求める
一生懸命考え抜く
これはほんとうだ
これはうそだ
でもね
うそがほんとうに . . . 本文を読む
口から毒を吐く動物は
女
だと…
うむ?
女だと?
いやいや
女だとは
言わない
言わない
秘めていること
秘めたエネルギー
欲望
どす黒い欲望
いやいや
あり得べき正しい欲望
生きる意志
生きようとする意志
抑え込んだ
無理に抑え込んだ
口から出ると
勢い余って
鋭くひとを傷つ . . . 本文を読む
新しいことこそが良いことである、とずっとぼくらは思い込まされてきた。古いものは、良くないものであると。
変えることが良いことである。守旧ではなく、革新することが良いことである。造反有理。
小学校高学年に、ビートルズと出会った。中学生で、クリームやツェッペリンに出会った。
そのころに、全学連の名を聞いた。
中学生でバンドを組んだ。髪を伸ばした。
高校で、制服の自 . . . 本文を読む
たとえば愛してる
と言って
あ そう
と受け流される
たとえばそっちに行くよ
と言って
いま用事があって移動中
とかわされる
嫌いだ
と言って
私もよ
と返される
二の句が継げない
でも
そのまま永遠に言葉が交わせない
ということではない
ような情景 . . . 本文を読む
言祝ぐ
目出度い
おめでどう?
(おまえでどうだ?)
とかじゃなくて
愛でる
虫愛ずる姫君
の愛ずる
愛する
愛すべき事態
愛すべき事柄
愛すべき物事
それが
愛でたい
目出度いとも書くが
目が出るわけでもない
愛でたい事柄だから
祝う
お祝いしたい
はあ目出度い愛でた . . . 本文を読む
ぼくらは菩薩ではない宮沢賢治でもない世の中のすべての人が救われないうちは救われようと思わないなどとは言わなくていい救われる救われない生きているうちに救われようなんて思うほうがどうにかしているというのも正論生きている間が地獄ということもないが生きている間が極楽ということもない違うそういう一般論で語る文脈じゃないおまえが救われちゃいけないと誰かが断罪するのは論外だがわたしは救われてはいけないと自ら悲壮 . . . 本文を読む