伝えるべき「記憶」 ～２

日本で唯一の地上戦を経験した沖縄

当時　中学生だった・・今は８０歳以上、高齢の男性

「鉄血勤皇隊」だった数人の人物が、回想しながら語る姿。
深く刻まれたしわに・・想いの深さを感じました。

ある人物の話。

重傷を負った友人を背負い、逃げた・・というその男性は、
当時のことを思い起こしながら・・

「その友人は、○○という名。
　・・深い傷を負っていました

　途中で、『降ろしてくれ』と言われ・・
『もういい・・手リュウ弾をくれ』と言われ・・

　後で大きな音がして・・」

その人物は、言葉に詰まる。

「その音は、今でも耳に残っている」

話をしてくれたその場所は、友人を失った場所。
いつも　お参りに来ている様子で、線香に火を付け、手を合わせる。

当時の様子を言葉少なに語り・・言葉に詰まり・・
それでも気を取り直し、また語り出した男性は・・

「この前、ここで名前を呼んでみたんですよ」

と。

「○○！！　と　呼ぶと・・」

「『お～！！』と、返事が・・こんなことってあるんですかね？」

取材のスタッフに、問いかける。

私は、「ああ・・そこに今でもいるのかもしれないな・・」と・・

友人を助けられなかったという・・無念さ、
友人の重荷になりたくなかったであろう・・今は亡き友人。

二人の心中を想い・・
私も胸が詰まりました。

この男性のせいでなく、誰のせいでもない。

人と人の・・エゴが引き起こす戦争。

恥ずべきは・・これまでの、争いをよしとしてきた者。

下等な心。