舵①
舵②
舵③
彼女と 闇の者の魂を負う者は
ある約束をしていました。
それはそれは
遠い遠い
昔々…
地球で巡り合う前、
光と闇の戦いより前、
ずっとずっと前…
神との約束。
いや、創造主かもしれません。
神は
二人に一つの課題を出しました。
それは、
愛を知る
という課題。
天は 愛の世界
満たされているが退屈な世界。
だから、愛が無い世界が分からない。
愛を知るために
出された課題。
いや、二人が自ら望んだのでした。
愛を知りたい
と。
男は、
愛を持ち続ける
どんな事があっても。
女は、
愛を失って彷徨う
涙が枯れても。
そう設定し…
そう約束し…
地上に生まれました。
天にいて、愛しか知らない二人には
その約束がどんなものであるか分かりません。
地球での学びがどんなものか?
想像すらできない。
肉体を持って
その課題をこなす事が
どれほどの事か、
知る由もありませんでした。
💠
彼女は
心の淀みにある
罪悪感と自己否定にやっと会う事ができました。
どうしても
自分が好きになれない理由
どうしても
愛されること、愛すこと、に
罪悪感を感じる理由
漠然とした不安
愛されても、
愛しても、
幸せを感じられない理由
に、
やっと会ったのでした。
そして、
同時に
思い出していました、
神との約束を。
嗚呼
と。
知りたかったんだ
と。
愛を
知りたかった
それだけ
もう、
必要無い。
淀みに潜んでいた
罪悪感。
罪悪感が呼んだ
自己否定。
もう
そこにいる
理由は無い。
と。
愛す事を恐れ、
愛されるを求めながら拒絶する
その理由を
知ったのでした。
愛だけの世界
愛が当たり前の、
退屈な世界は
本当の意味で愛がどんなものか
分からない。
それを知るため
長い長い
気が遠くなるほどの
遥かな約束。
もう
いらない。
けれど、
だからこそ、
自己否定と罪悪感が
あったからこそ、
感じる事ができたのだ
と。
愛
長い長い
これまで
を
彼女のハートは
感じました。
彼女の淀みは深く、重く
どれだけのものを
闇の魂を持つ者にぶつけたかしれません。
涙が枯れても求めると、
神に誓った重い想い。
忘れているけれど、
神と約束した【愛を求めて彷徨う】は
確かに
そこにありました。
闇の魂を持つ者もまた【愛を持ち続ける】を
持ち続け、
どんな事があっても持ち続ける
と、
神に誓った約束を違えることは
ありませんでした。
神との約束。
地球で学ぶということ。
彼女は それがどういうことか…
感じる…
愛を知るために
どれほどの
長い時を超えたか…
愛は
男女の愛だけはありません。
男女も親子も隣人も
愛は、
人と人とを
繋ぎ、結び、包むもの。
そして
思うのでした。
もう
自分を愛さない理由はない
と。
自己否定と罪悪感を
抱きしめて、
そして、
自分を
抱きしめるのでした。
感謝と共に…。