一期一会

日々是好日な身辺雑記

ジェフリー・ディーヴァーの007

2012年04月10日 | 日記

知人からジェフリー・ディーヴァーの(007白紙委任状)を借り
先週の水曜日から読み始め、昨日読み終えた。
土、日を挟んでの日数からすると普通のペースで(片時も離さず、風呂でも読み)
という感じではなかった。この読むスピードが本の面白さのバロメーターである。

ジェフリー・ディーヴァーは「ボーン・コレクター」を第一巻とした
元NY市警化学捜査部長で犯罪学者のリンカーン・ライムと女性巡査アメリア・サックス
のシリーズが代表作であり八巻全て読んでいる。
捜査中の事故で脊髄を痛め、四肢麻痺の身体になったリンカーン・ライムが
パートナーとしてのアメリア・サックスの力を借りて難事件を解決するという
サスペンス物であり、思いがけないどんでん返しと、サイコな犯人との対決に
知力を尽くすという展開に面白さがある。
「ボーン・コレクター」はデンゼル・ワシントンがライム役で映画化もされており
それをご覧になった方も多いと思う。
そのリンカーン・ライムシリーズのディーヴァーが書く007ジェームス・ボンドは
どんなものになるか読む前から興味津々であった。

普通のペースではあったが、エンターテイメント的に楽しめるし、
さすがジェフリー・ディーヴァー、途中でだれる事はなかった。
舞台背景もセルビア⇒ロンドン⇒ドバイ⇒ケープタウンと場を移し、
007らしくアクションシーンやカーチェイスもあり、
映画にしたらさぞや・・・というような構成になっている。
随所にスマートフォーンでのメールのやり取りが出てくるのが
いかにも現代版ジェームス・ボンドである。
読みながら文章をイメージ化するとジェームス・ボンドはション・コネリーではなく
ダニエル・クレイグを想い浮かべてしまう。

そしてディーヴァーお得意のどんでん返しもちゃんと用意されている。
勿論エチケットとしてその種明かしはしない。

前述の本を読むペースのことであるが、そんな感じで読む本は年に2冊から3冊
あるかどうかというところである。
そんなペースで読んだ絶対的なお薦め本の一冊が

   タチアナ・ド・ロネの「サラの鍵」

第2次世界大戦中のパリと、現代のパリを舞台にそれが交互に描かれるという
構成になっている。ナチスのユダヤ人一斉検挙をフランス警察が行うという
歴史上の暗部である事件で、その時代の犠牲者ユダヤ人の10歳の少女サラを
現代のアメリカ出身の女性ジャーナリストが調べていく展開に引きずりこまれる。

女性ジャナリストとフランス人の夫との関係も平行して丁寧に描かれている。
勿論、ホロコーストの話なので重いが、深く考えさせられる本である。

そしてもう一冊(ミレニアム1、2、3の上下で6冊)が

     スティーグ・ラーソンの「ミレニアム」

これは世界的なベストセラーとして3年前に紹介されているし、
最近も「ドラゴン・タトゥーの女」が映画化されているので多くの方が
読んだり、見たりしていることと思う。(私は映画は見ていない)
とにかく、この本は文句なく面白い!

登場人物が個性的で魅力的である。全巻通して主人公であるミレニアムの記者
ミカエル・ブルムクヴィスト、ドラゴンタトゥーの女で天才ハッカーの
リスベット・サンデル、ミレニアムの編集長エリカ・ベルジェを代表に
他の登場人物も丁寧に魅力的に描かれている。

手帳に読んだ本をメモしているが、それを見るとこのミレニアムは1月中旬から
読み始め一冊3日のペースで読んでいる。
何故3年前に評判になった時に読まなかったか?¥1700x6が
高いと思ったのか(苦笑)。その時期は村上春樹の1Q84 BOOK1、2
を読んでたからか?因みに村上春樹の本は全て出版されると同時に買う。


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