一期一会

日々是好日な身辺雑記

「さらば、わが愛/覇王別姫」

2022年06月09日 | 日記
昨日は渋谷のBunkamuraル・シネマで香港・中国合作映画「さらば、わが愛覇王別姫」を観てきた。この映画は1993年にカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞、翌1994年に日本公開し
大ヒット大ロングランとなった。ル・シネマでは1994年2月から43週にわたりロードショー公開した。日本での劇場上映権が切れるにあたり、6/3(金)〜6/9(木)までル・シネマで日本最終上映が行われるとの案内がメールで届いた。
今までル・シネマでは何本も映画を観ており、名作・秀作が多く外れた事がない。メールアドレスを登録してあるので定期的に上映予定作品の案内が届く。
ル・シネマで最後に観たのは2020年7月にドキュメンタリー映画「プラド美術館 驚異のコレクション」で、コロナ禍の真っ最中だったので、隣の席を空けての上映となっていた。

28年年前の上映となるこの映画を、当時は仕事に忙しく休日に映画を観に行く機会は少なかった。
レンタルビデオでも観れるが、基本的に映画は映画館で観るのが良く、日本最終上映となったこの機会に1人で観に行った。平日10:30からの上映にも関わらず満席となっていた。



遊郭で働く母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆。淫売の子と虐められる彼を弟のようにかばい、虐待とも言えるような辛い修行の中で強い助けとなる石頭。
ある時、過酷な日々に耐えかねた小豆は仲間の1人と脱走する。その途中、京劇の人気役者の公演「覇王別姫」を観て魅了され、再び役者を目指す気持ちになり養成所に戻る。
養成所に戻った2人が目にするのは、2人の脱走を見逃したとして師匠から激しい体罰を受ける石頭の姿だった。
小豆は自ら願い出て石頭の代わりに壮絶な体罰を受けるが、その一部始終を見ていた一緒に脱走した仲間が首吊り自殺をする。

そんな厳しい修行を経て、小豆は女形として蝶衣、石頭は小楼という役名を名乗り京劇役者の道を
歩み始める。舞台「覇王別姫」で共演し一躍大好評を博し、2人は人気役者となる。
子供の頃から一緒に京劇役者の道を歩んできた蝶衣は、小楼に同性愛のような感情を抱くが、小楼は遊郭で見初めた菊仙と婚約してしまう。この3人の愛憎劇が日中戦争、国民党政権、共産党政権、文化大革命という動乱の中国・北京を舞台に描かれている。
1920年代から1970年代という中国の激動の時代に翻弄される3人は悲劇的な結末を迎える。

10:30からの上映開始で終わったら13:30となっていたが、そんな時間の長さを感じさせない傑作だった。
レスリー・チャンの女形としての蝶衣の妖しい美しさと、コン・リー菊姫の強さの演技が印象的だった。
蝶衣の役は「ラストエンペラー」のジョン・ローンにも話があり、本人も乗り気だったが条件が合わず叶わなかった。ジョン・ローンの女形姿も観たかった。

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