一期一会

日々是好日な身辺雑記

ヴァチカン市国へ

2017年10月20日 | 旅行


ローマ滞在最終日となる、19日(木)は今回の主要観光目的の一つ、ヴァチカン市国へ行ってきた
2006年にローマに来た時は長蛇の列で入れなかったので、今回は日本でチケットを予約してきた。
当日購入者と事前予約者とでは並ぶ列が違うというが、8:30に入り口に着いた時は多勢の観光客で混雑していた。
この混み具合と、ヴァチカンの広さを実感し、ツアー参加の方が便利だろうという事になり、
急遽ガイド付きのツアーに一人30ユーロでアップグレードし、参加する事にした。
日本での予約分と合わせ一人55ユーロ、6500円相当なので美術館と大聖堂の入場料としては驚くほど高い。
急遽のアッグレードだったので参加したのは、英語ガイドの20人位のグループだった。
ヴァチカンはカトリック教会の総本山なので、多勢の観光客で大変な混雑だった。

ヴァチカン美術館は歴代ローマ教皇が収集した彫刻などを展示している世界最大の美術館なので、
その所蔵品、天井画、その建物と、言葉では言い表せない程に圧倒されるものだった。
(ラオコーン像)






システィーナ礼拝堂ではいくつものツアーグループで一杯になり音声ガイドが出来ないからか、
入る前に中庭で天井画と壁画(最後の審判)の説明が、絵を使って20分近くあったが、
旧約聖書そのものを知らないのと、英語での説明だったのでよく分からなかった。
ガイドさんがミケランジェロではなく、マイケルアンジェロと言ってたのが印象に残ったくらいだ。
ただ絵の中に「アダムの創造」などがあったので、それだけは分かった。

システィーナ礼拝堂は多勢の人で満室だったが、ここでは各ツアーグループのガイドの説明もなく、
勿論写真撮影も禁止なので、見学者全員静かに天井画と壁画を見るだけだった。
この天井画と壁画鑑賞の感想を述べる語彙を持たないので、素晴らしかったとしか言えない。
ただ、ミケランジェロの原作が裸体画だったのが、教皇の指示で褌のような物が書き加えられたのが
頭にあり、レオナルド・ダヴィンチの(最後の晩餐)を観た時の感動とは少し違った。




そして次にサン・ピエトロ大聖堂に入ると、今回最も楽しみにしていたミケランジェロの
(ピエタ像)がガラスで囲われて展示されており、黒山のような人だかりだった。
このキリストの遺体を抱いたマリアの像は何とも言えず美しさと悲しみが感じられる素晴らしいものだ。
写真撮影OKなのでスマホでの撮影する人で混み合っていたが、何とかピエタ像の前まで辿りつき、
観ることが出来た。ミケランジェロ23歳の時の作品だが、どんな修行をしてこんな作品が作れたのか、
驚きだが、それが天才の天才たるゆえんだろう。

次に廻ったのがヴァチカン近くのサンタンジェロ城で、ローマ軍の兵器の大砲ならぬ丸石の
投擲機が展示されていた。ここでこの日の見学コースが終わり、Cafeでサンドイッチの昼食を
採る。オシャレな店で美味しかったがカプチーノとコーラを付けて30ユーロだった。
ローマは南イタリアと比べると物価が高い。


予定の見学と昼食を終えた後は、カミさんのショッピングにお付き合いでスペイン広場に行く。
スペイン広場に向かうメイン通りには世界の名だたるブランド品の店が並んでいる。
その通りの路地を入った所に、カミさんのお目当てのスカーフの専門店があった。
カシミアのスカーフらしく値段も高い。カミさんが色々と見ている間、外でイタリアの伊達男の
マンウオッチングをしていたら、カミさんが高いので買わなかった言いながら未練がありそうな様子。
そんな様子に背中を押す一言を言ってあげたら、(そうね一生物だから)と言い、
店に戻って買ってしまった。カミさんの(一生物だから)は、今まで何回聞いた事か。

そんなショッピングに気兼ねをしたか、(ダウンでも見てみる)とモンクレーというダウン専門店に
連れていかれたが、一着13万円という値段に驚き直ぐに店を出た。
基本的に断捨離生活に入っているので、新しく物は欲しくなく、衣類はUNIQLOで充分満足だ。
ただ物欲が無くなるというのは老化現象の一つかもしれない。
40代の頃はコーチのアタッシュケースなど分不相応な物を使っていたのだから。
初日の名所巡りでは(無駄な歩きはさせないで)と言ってたカミさんも、
お目当品のGetで足取りも軽くホテルに戻った。

夕食は前日と同じ店の(CONSTANTIN)で取った。この店はエノテカとしてのWine BARに、
レストランを併設しているのでそちらに行った。
テーブル席ついて貰ったメニューを見たら結構な値段だったが、今更WineBARに変えるわけにも
いかないし、と思っていたらカミさんにそんな様子が見られず、(値段が書いてないわね)と、
おかしな事を言う。メニューを交換してみたら確かにカミさんの方には値段が書いていない。
(えっ、そんなフォーマルな店なのか)と思ったが、ここからが調子の狂い放しだった。

先ずウェルカムドリンクという事でスパークリングワイン一杯とサーモンの付け出しが出た。
そして何とか態勢を立て直し、前菜とメイン2品を決めようとしていたら、大きな皿に乗せた
魚を持ってきた男性が、二つの魚の説明をする。これも考えさせてくれと言いカミさんと検討する。
それで前菜とイカ墨のスパゲッティ一品取り、メインを魚にしようと決めた。
この三品というのは腹具合からきているのではなく、懐具合からきているのだが、
勧められた魚の値段が分からないので(How much is this)と中学英語で聞いてみようと思ったが、
カミさんが(それはちょっと)というので、高くても50ユーロくらいだろうと思い確認せず注文した。




そして次にソムリエが来て、持ってこられたワインリストがボトルだけだったので、
グラスワインのリストを貰い、説明を聞きながらオススメの白ワインをそれぞれオーダーする。
こうして始まった今回の旅行の最後の夕食は、グラスワインでてテスティングし、
シェアする分はウエイターがスプーンで取り分け、メインの魚料理はテーブル脇で取り分けるという
もので、皿の上に皿を乗せ、ナイフとフォークもその都度取り替えてくれるというサーブだった。
食後の飲み物とドルチェを聞かれたが、満腹という事で断ったが、サービスのチョコとクッキーが
出た。

そしてチェックしたら魚料理は80ユーロで、〆て170ユーロの夕食だった。
いいカッコせず確認すべきはすべきという教訓だった。

現在、現地時間の5時半で、これから荷物をまとめバスで空港へ行き、ヘルシンキ乗換えで帰国する。
今回の2週間の南イタリアの旅は見所満載で、古代からの歴史や文化を感じられ、
食べるものも美味しく楽しい旅だった。
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