大正五年十月十四日 水曜 晴
春野書記は命により記念日運動会に付派遣警察官への礼物を携帯して午前九時三〇分頃市警察署へ赴き巡査部長面接し之に挨拶を述べて禮物の配賦を依頼したり
帝国軍人教育会派出柳本昇一来課戦時写真帖見本一冊を差出し職員へ回覧を申しでたるに因り現本を職員食堂に面し閲覧に供せり
不動貯金銀行熊本代理店員上村喜与来課職員勧誘の為宿所簿を借覧せり
大正五年十一月八日 日曜 晴
午前五時四〇分春野書記登校、同夜柳川に於いて発火演習旅行生徒の提灯行列挙行になる趣により正木氏へ軍歌を渡し且つ軍隊式を目送し一旦帰宅、
午前九時再登校す、先ず是、杉山、長谷川、岡村、三教授登校あり平塚教授には使いを派し尋ねて登校、斯を於いて残留生徒、提灯参加の件に付疑義せられその結果庶務課にて残留生徒は該行列に加わるべき事を各新聞社に文案を寄せて明九日発行の雑報欄内に搭載方の依頼状を発し一面残留職員三十四名へ右行列に参加すべき件幹事の通知状を発送し或は各級組みの残留生徒若干宛を召喚せられて最寄居住の生徒に通告又は市内要所へ掲示方を指示せられ右等の事務を了えて一同退出せれば午後二時四十五分なり