MOBU'S MUSIC MAZE

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モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

2019-08-05 19:13:14 | 音楽夜話(クラシック)
モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

以前、クラシック・リスナーの先輩と、モーツァルトのクラリネットだったら、
協奏曲と五重奏曲と、どちらが好きかという話になった。どちらも名曲だし。
悩んだ末、協奏曲に1票。

先輩は五重奏曲に入れた。後で聞いた話だけれど、クラリネットを個人で
習いに行ってたとか其れもA管。それは、モーツァルトを吹きたいがためか。
ある意味恐れ入ってしまった。

クラリネットにはES管B管A管と有って、作曲家は曲によって
使い分けているという。そうすると奏者も吹き分けなければならない。
大変なことではあるが。

深みと陰影があるA管。低いところまで音が出せたりする。モーツァルトの
場合はA管で書かれているという。
この曲は、A=イ長調で書かれている。しかしながらクラリネットはB管も
ある。
先日とあるCDのクレジットでクラリネット協奏曲変ロ長調K622という記述をみつけた。
間違いかもしれないけど、あながちそうとも言えず。B管で演奏できる編曲版もあるらしい。
AとBでは音色の違い音域の違いがあり、B管で吹かれることはほとんどないらしいが、
時折このようなものも出回る。半音違いだけど、古楽ならピッチも低いから、あまり違和感が
無いかもしれないなどと、勝手に思っているけれど、実際はそんなもんではないのだろうな。
曲の陰影感が出るA管の2楽章。しみじみと聴いている。

モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 ザビーネ・マイヤー 1998
https://www.youtube.com/watch?v=K6IAIYvjs04

マタドール 闘牛士 -グラントグリーン(g)BLUENOTE

2019-08-05 09:58:00 | 音楽夜話(ジャズ)
マタドール 闘牛士 -グラントグリーン(g)BLUENOTE

1964年5月20日録音。
Guitar – Grant Green
Piano – McCoy Tyner
Bass – Bob Cranshaw
Drums – Elvin Jones

昔、このアルバムを聴いたことがあった。
なんか、ぴんとこなかった。
グリーンのシングル・トーンの意味が良く
伝わらなかったのかもしれない。

改めて聴いてみた。
ピアノとドラムスは、コルトレーン・カルテットのそれだ。
ベースはボブ・クランショウなので、少しカラーは薄まるに
しても、この2人のバックを持ってきた、アルフレッド・ライオン
プロデュースの大胆さ。
マッコイ・タイナ-は65年にコルトレーンの袂を離れて、ブルーノート
と契約するけれども、その前哨戦だったのかもしれない。
コルトレーンの「至上の愛」は64年12月9日録音。
エルビン・ジョーンズはどこ行ってもエルビンな叩き方をする様だ。
ある意味ワン・アンド・オンリーなのだけれど。

A1
Grant Green - Matador
https://www.youtube.com/watch?v=hTe9M4yFdEQ&list=RDhTe9M4yFdEQ&index=1

グリーンの「マタドール」というタイトルを聞いた時に思ったのは、75年に
ジム・ホールがリリースした「コンチェルト」。ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」
のアレンジしたものを入れている。「マタドール」79年にレコードでキングから出ている。
それまでは、(米)ブルーノートで、レコードしかなかったようだ。
2匹目のドジョウをねらったとも思えないけど、何かイメージが被った。

話は違うけれど、このアルバムのジャケットは日本人の作家さんが描いたものらしいが、
ギターへッドの所にある、ペグ(糸巻)が、ヘッドに埋め込まれている。
このようなタイプのそれは現物では見たことがない。知らずに描いたのか、それとも・・・。

「マタドール」哀愁のある短調で書かれた曲だけれどUPテンポで流していく。グリーンの
シングル・トーンもスタミナ切れることなく、かなり長いアドリブを紡いでいる。
その意味では、マッコイタイナーもコルトレーンと対峙するような緊張感はなく、
リラックスしている演奏なのでは。

A2
Grant Green - My Favorite Things
https://www.youtube.com/watch?v=Fnk3dLXnHiY&list=RDhTe9M4yFdEQ&index=5

コルトレーンとは少し違うアクセントでテーマを入れてくる。この曲がコルトレーンの
名刺代わりになっていることも知ったうえでの録音。グラント・グリーンのギターの
音色はある意味軽い。コルトレーンのそれとは違う性格を持ち、曲の意味合いも
変わってくる。エルビンはマイペースだけれども。マッコイタイナーのソロも、
グリーンのエッセンセンスを汲んでいるような感じもうかがえるし、コルトレーン・
モードからは少し違うような気もする。

しかしながら、グリーンのアドリブもよく頑張っている。シングルノートも、
彼のトーンも。彼自身のものだ。それがコルトレーンと違っていて当たり前だし
その違いが、こういうアプローチもあるという事を気づかせてくれる。
ある意味おもしろかった。