goo blog サービス終了のお知らせ 

宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ハビタブルゾーン内を公転していても大気や水は存在しない? 太陽よりも低温で暗い恒星に左右される系外惑星の環境

2023年01月09日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
図1.“プロキシマ・ケンタウリ”を公転する“プロキシマ・ケンタウリb”(イメージ図)。(Credit: ESO)
図1.“プロキシマ・ケンタウリ”を公転する“プロキシマ・ケンタウリb”(イメージ図)。(Credit: ESO)

本当にハビタブルなの? 恒星の活動にも右される系外惑星の環境

地球に住む私たちから見て太陽の次に近い恒星は、地球から約4.3光年の距離にある“プロキシンマ・ケンタウリ”です。
 恒星の中でも太陽系に近い約4.2光年の距離にある赤色矮星“プロキシマ・ケンタウリ”。この“プロキシマ・ケンタウリ”を公転している地球サイズの“プロキシマ・ケンタウリb”は、2016年に発見された系外惑星。“プロキシマ・ケンタウリb”は11.2日周期で公転し、その重力に引っ張られて中央の“プロキシマ・ケンタウリ”も11.2日の周期でぶれている。主星の周りを公転している惑星の重力で、主星が引っ張られると地球からわずかに遠ざかったり近づくことになる。この動く速度(視線速度)に応じて変化する恒星のスペクトルを読み取ることで検出されたのが、惑星“プロキシマ・ケンタウリb”の存在だった。
“プロキシマ・ケンタウリ”で発見された太陽系外惑星“プロキシマ・ケンタウリb”は、ハビタブルゾーンにある地球型惑星として注目されています。
 “ハビタブルゾーン”とは、主星(恒星)からの距離が程良く、惑星の表面に液体の水が安定的に存在できる領域。この領域にある惑星では生命が居住可能だと考えられている。太陽系の場合は地球から火星軌道が“ハビタブルゾーン”にあたる。
ただ、ハビタブルゾーンを公転する惑星の表面に、必ずしも液体の水があるとは限らないんですねー
特に重要になるのが大気の存在です。

水は蒸発しやすい物質であり、表面で液体の水が維持されるにはある程度の厚い大気が必要になります。

そして、大気が維持されるかどうかは、ある程度の重力とともに、恒星の活動にも左右されます。
恒星の放射圧が強ければ、惑星から大気が逃げてしまう可能性があるからです。

“プロキシマ・ケンタウリb”は、地球以上の質量を持つと推定されているので、大気を維持するのに十分な重力はあるはず。
ただ、周回する“プロキシマ・ケンタウリ”が赤色矮星という小さな恒星であることが問題になってきます。
 スペイン・カナリア天体物理研究所のチームにより、“プロキシマ・ケンタウリb”の質量は地球の1.17倍前後(下限値)という値が得られている。
一般に、恒星は質量が小さいほど放射量が少なくなるので、ハビタブルゾーンは恒星に近くなってしまいます。
“プロキシマ・ケンタウリb”の場合だと、中心星“プロキシマ・ケンタウリ”までの距離は地球から太陽までの約20分の1しかありません。

一方で、恒星は質量が小さいほど半径も小さくなり、表面から中心核(コア)までの距離は短くなります。
そう、中心核の激しい活動が表面に現れやすくなるんですねー

恒星の中心核では激しい磁気活動があり、強い磁場は電気を帯びた粒子を加速させ、恒星の表面から噴き出させます。
これが恒星風で、太陽の場合は太陽風と呼ばれています。

このような粒子が惑星の大気にぶつかると、大気を構成する分子が加速され、惑星の重力を振り切って逃げだす原動力になります。

大きい恒星のハビタブルゾーン内では、そのような現象に遭遇することは滅多にありません。
でも、小さい恒星のハビタブルゾーン内では、惑星は激しい恒星風に常時さらされてしまいます。

このため、本当にハビタブル(生命が居住可能)かどうかは議論の余地があります。

地球と比べて最大1000倍の恒星風にさらされている“プロキシマ・ケンタウリb”に大気は存在しない…

ほとんどの場合、特定の恒星の磁気活動を知ることはできません。

それでも、一部の観測可能な恒星の磁気活動を元に、他の恒星の磁気活動を推定することはできます。
ただ、これが正しいかどうかは分かりませんでした。

近年、“プロキシマ・ケンタウリ”の観測値が積み重ねられたことで、磁気活動を直接モデル化できる“ZDI(ゼーマン・ドップラー・イメージング)”を“プロキシマ・ケンタウリ”の研究に利用できるようになったんですねー

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのCecilia Garraffoさんの研究チームは、“プロキシマ・ケンタウリ”の観測データを元に、“ZDI”を用いた磁気活動のモデル化を検証しています。
図2.今回の研究で構築された“プロキシマ・ケンタウリ”の磁気圏。左からZDIモデル、代替モデル、両者の組み合わせによるもの。(Credit: Garraffo, et.al.)
図2.今回の研究で構築された“プロキシマ・ケンタウリ”の磁気圏。左からZDIモデル、代替モデル、両者の組み合わせによるもの。(Credit: Garraffo, et.al.)
その結果、“プロキシマ・ケンタウリ”の磁気活動について詳細なモデルが構築され、“プロキシマ・ケンタウリb”は地球と比較して平均値でも100~300倍、“プロキシマ・ケンタウリ”の活動サイクル(7年周期)のピーク時には、地球の1000倍もの恒星風にさらされると推定されました。

この値では、惑星の表面にある大気や水は短期間で蒸発しきってしまうことに…
なので、“プロキシマ・ケンタウリb”はハビタブルゾーン内を公転しているにもかかわらず、不毛の惑星である可能性が高いことが分かりました。

“プロキシマ・ケンタウリ”のように小さな恒星は、大きな恒星よりも数多く存在すると考えられています。
その中には、ハビタブルゾーン内にあると推定される系外惑星がいくつも見つかっています。

でも、それら系外惑星の居住可能性については、再考する必要があるのかもしれません。
太陽よりも表面温度が低く光度も暗い“赤色矮星”の場合だと、まずは大気を維持するメカニズムが重要なんですね。


こちらの記事もどうぞ


銀河団内には星が生まれにくい場所がある? 70億年前から存在している銀河団の奇妙な銀河分布

2023年01月07日 | 銀河・銀河団
すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラで撮られた、70億年前までの宇宙に存在する5000個を超える銀河団。
このデータを統計的に調べてみると、成長をやめてしまった銀河が、銀河団内の特定の方向に偏って分布していることが明らかになったんですねー

このことは、銀河団の内部で銀河の成長を止めるメカニズムが、非等方的に働いている可能性を示すもの。
銀河の形成過程の新たな一面をとらえた成果といえます。
図1.今回の研究に用いた銀河団の一例。銀河団に属する銀河のうち、星形成をしている銀河を青い円で、星形成をやめた銀河をオレンジの円で示している。印が付いていない天体は、この銀河団とは無関係の銀河や星になる。ピンクと水色の影で示された領域は、それぞれ銀河団の中心銀河の長軸に「揃った方向」と「垂直な方向」を表している。右上の画像は銀河団の中心部を拡大したもの。この例のように中心銀河は基本的に楕円に近い形をしていて、楕円の伸びた方向を長軸としている。個々の銀河団の観測から銀河分布の偏りを検出するのは難しいが、今回の研究では5000個以上の銀河団の高品質な撮像データを解析することで、成長している銀河と成長をやめた銀河の分布の偏りを検出している。(Credit: 東京大学)
図1.今回の研究に用いた銀河団の一例。銀河団に属する銀河のうち、星形成をしている銀河を青い円で、星形成をやめた銀河をオレンジの円で示している。印が付いていない天体は、この銀河団とは無関係の銀河や星になる。ピンクと水色の影で示された領域は、それぞれ銀河団の中心銀河の長軸に「揃った方向」と「垂直な方向」を表している。右上の画像は銀河団の中心部を拡大したもの。この例のように中心銀河は基本的に楕円に近い形をしていて、楕円の伸びた方向を長軸としている。個々の銀河団の観測から銀河分布の偏りを検出するのは難しいが、今回の研究では5000個以上の銀河団の高品質な撮像データを解析することで、成長している銀河と成長をやめた銀河の分布の偏りを検出している。(Credit: 東京大学)


銀河の星形成活動

数千個もの星々の集まりである銀河は、ガスを材料にして星を作り出す星形成活動を通じて成長します。

ただ、観測される銀河の星形成の様子は活発なものから、ほとんど停止しているものまで色々…
なので、どのような条件下で星形成が促進あるいは抑制されるかを調べることは、銀河の成長過程を理解する上で重要なことになります。

さらに、銀河の中には、単独で存在するものもあれば、群れて集まっているものもあります。

銀河の群れの中でも、数百から数千の銀河からなる大規模集団は“銀河団”と呼ばれています。
銀河団は300万光年もの広がりがあり、“銀河団ガス”と呼ばれる数千万度から数億度の高温ガスで満たされています。

面白いことに、単独で存在する銀河の多くは星形成をしていますが、銀河団に属する銀河の多くは星形成をやめているんですねー

これは、銀河と銀河団ガスが密に集まっているという、銀河団特有の環境に起因するものだと考えられています。

たとえば銀河団ガスの風圧や、近くを通過するほかの銀河の重力が、銀河の内部から星の材料であるガスを剥ぎ取ってしまうことが知られています。
その結果として、銀河の星形成、つまり成長が止まると考えられています。


成長をやめた銀河の偏った分布

銀河団に着目したこれまでの研究の多くは、銀河団に属する銀河の性質は等方的だとしています。
つまり、銀河団中心から見てどの方向を調べても、銀河の性質は同じであるという仮定の下で行われてきました。

ところが、近年の研究で指摘されているのは、成長をやめた銀河の分布が、銀河団内の特定の方向に偏っている可能性があることです。

多くの銀河団の中心部には巨大な銀河(中心銀河)が1つありますが、成長をやめた銀河は中心銀河の長軸方向に高い頻度で存在しているようです。

このことは、銀河団の中で銀河の星形成をやめる作用が、中心銀河と揃った方向(長軸方向)では強く、それに垂直な方向では弱く働くためだと解釈されています。

このような示唆が得られたのは、現在の宇宙に限られた研究や、少数の銀河団のサンプルの観測からです。
なので、この偏りが宇宙の幅広い年代で普遍的なものなのか? また、どの銀河団でも見られる一般的な傾向なのか? については分かっていませんでした。

そこで、今回の研究で用いられたのは、5000個を超える大量の銀河団のデータ。
このデータは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ“Hyper Suprime-Cam(ハイパーシュプリーム・カム)”による大規模探査“Hyper Suprime-Cam すばる戦略枠プログラム”によって、撮像されたものでした。
この銀河団データを対象に、星形成をやめた銀河の割合が中心銀河の向きに対して、どのように変化するのかを調べています。(図1)
今回の研究を進めているのは、東京大学の安藤誠大学院生を中心とするチームです。
その結果、中心銀河の長軸に沿った方向では星形成をやめた銀河の割合が高く、それと垂直な方向では低くなっているが確かめられました。(図2)

さらに、この偏りがおよそ70億年前までの銀河団で検出されたいたので、時代によらず普遍的なものであることも分かっています。


銀河の偏った分布はどのようにして生じたのか

今回検出された偏りは数パーセント程度の小さなもの。
すばる望遠鏡による高品質かつ、大規模な銀河団サンプルを統計的に分析することで、初めて検出が可能になったことでした。
図2.今回の研究で検出された成長をやめた銀河の偏り(左)と、そのイメージ図(右)。左図は約60億年前の宇宙での解析結果で、成長をやめた銀河の割合(白丸)を中心銀河の長軸からの方向ごとに示している。黒色の太線は分布傾向を表す線になる。ピンク色の影で示された「中心銀河の長軸に揃った方向」では、水色の影で示された「中心銀河の長軸に垂直な方向」と比べて、成長をやめた銀河の割合が高くなっている。(Credit: 東京大学)
図2.今回の研究で検出された成長をやめた銀河の偏り(左)と、そのイメージ図(右)。左図は約60億年前の宇宙での解析結果で、成長をやめた銀河の割合(白丸)を中心銀河の長軸からの方向ごとに示している。黒色の太線は分布傾向を表す線になる。ピンク色の影で示された「中心銀河の長軸に揃った方向」では、水色の影で示された「中心銀河の長軸に垂直な方向」と比べて、成長をやめた銀河の割合が高くなっている。(Credit: 東京大学)
それでは、この偏りはどのように生じたのでしょうか?

一般に、「重い銀河」や「密な場所にある銀河」には、成長をやめたものが多いことが知られています。

そこで、考えられるのは以下の可能性。
1.重い銀河が中心銀河の長軸方向により多く存在している。
2.中心銀河の長軸方向では銀河がより密に集まっている。

あるいは、以下の可能性があるのかもしれません。
3.銀河団の外で成長をやめた銀河が、中心銀河の長軸方向に沿った運動で銀河団内部へ移動してきている。

でも、今回検出された銀河の偏りを様々な角度から検証してみると、1や2では検出された偏りの大きさを説明できないこと、また銀河団の外では成長をやめた銀河の分布に大きな偏りがなく、3の可能性も低いことが分かりました。

どうやら、上記の説明では不十分なようです…
では、観測された偏りをうまく説明することはできるのでしょうか?

実は、今回の結果をうまく説明できる説が、シミュレーションを用いた先行研究で提案されているんですねー
この説には、ほぼすべての銀河の中心部に存在するとされる、巨大ブラックホールの存在が関わっています。

銀河団の中心銀河が持つ巨大ブラックホールは、銀河団ガスを吹き飛ばすほどのエネルギーを放出します。
この時、中心銀河の長軸に垂直な方向のガスを集中的に吹き飛ばすので、その方向にある銀河団ガスが銀河に及ぼす風圧は相対的に弱くなります。
結果として、中心銀河の向きに応じて銀河の成長の止まりやすさが変わことになる っという説です。

今回の研究結果は、基本的にこの説と整合しています。

このことは、銀河団における銀河の成長を考える上で、中心銀河の巨大ブラックホールの活動性や、銀河と銀河団ガスとの相互作用が、いつの時代も極めて重要であることを示唆しています。

今回の研究では、すばる望遠鏡の大規模で高品質な観測データのおかげで、銀河団の中で銀河の成長を止めるメカニズムの新たな面と、その普遍性が明らかになりました。

ただ、その直接的な証拠となるブラックホールの活動性や、銀河団ガスの偏在を検出したわけではありません。

これらは、今後X線や電波の観測によって、明らかになると期待されています。
今回検出された、成長をやめた銀河の偏りの原因を解明することで、銀河団における銀河の成長史に迫ることができるといいですね。


こちらの記事もどうぞ


巨大惑星や褐色矮星の進化、大気の研究に重要! 太陽のような恒星を周回する恒星になれなかった星を発見

2023年01月05日 | 宇宙 space
すばる望遠鏡の超高コントラスト補償光学システムを利用した観測により、太陽のような恒星を周回する褐色矮星の姿がとらえられました。

さらに、直接撮像に加えて位置天文衛星などのデータを組み合わせる新しい手法を用いて、この天体“HIP 21152 B”の正確な質量を求めてみると、質量が精密に決まっている褐色矮星の中では、最も軽く、惑星質量に迫る天体であることが明らかになったんですねー

このことから、“HIP 21152 B”は巨大惑星と褐色矮星の進化や、その大気の研究をする上で重要な基準(ベンチマーク)天体になると期待されています。
図1.恒星“HIP 21152”の伴星として発見された褐色矮星“HIP 21152 B”の画像。★印と矢印はそれぞれ、恒星(中心星)と“HIP 21152 B”の位置を表している。中心星はマスクされていて、★印の周囲に見えるパターンは中心星の影響によるノイズ。“HIP 21152”は、年齢が約7.5億年の若い太陽のような星で、おうし座の方向約160光年の彼方に位置する我々に最も近い散開星団の一つ、ヒアデス星団に属している。ヒアデス星団は、ほぼ同時期に生まれた若い星々の集まりとして、星や惑星の進化を調べる上で重要な研究対象であり、多くの天文学者を惹きつけている。そのヒアデス星団の伴星型褐色矮星としては、“HIP 21152 B”が直接撮像によって確実に発見された初めての天体となった。2020年10月~2021年10月にかけての3回の撮像観測を合成した動画(下図)。(Credit: アストロバイオロジーセンター)
図1.恒星“HIP 21152”の伴星として発見された褐色矮星“HIP 21152 B”の画像。★印と矢印はそれぞれ、恒星(中心星)と“HIP 21152 B”の位置を表している。中心星はマスクされていて、★印の周囲に見えるパターンは中心星の影響によるノイズ。“HIP 21152”は、年齢が約7.5億年の若い太陽のような星で、おうし座の方向約160光年の彼方に位置する我々に最も近い散開星団の一つ、ヒアデス星団に属している。ヒアデス星団は、ほぼ同時期に生まれた若い星々の集まりとして、星や惑星の進化を調べる上で重要な研究対象であり、多くの天文学者を惹きつけている。そのヒアデス星団の伴星型褐色矮星としては、“HIP 21152 B”が直接撮像によって確実に発見された初めての天体となった。2020年10月~2021年10月にかけての3回の撮像観測を合成した動画(下図)。(Credit: アストロバイオロジーセンター)
○○○

恒星になれなかった星“褐色矮星”を探す

“褐色矮星”は、恒星と惑星の中間の質量を持つ、太陽系には存在しない種類の興味深い星です。
褐色矮星の定義は複数存在するが、一般には木星のおよそ13倍~80倍の質量を持つ天体を褐色矮星とみなす。そのような質量の天体では、(恒星と異なり)水素の核融合が起こらず、(惑星と異なり)重水素の核融合が起こる。一方、質量以外では、重い惑星と軽い褐色矮星は、ほとんど同じ性質を示すと考えられている。
木星のような巨大惑星と軽い褐色矮星は、ほとんど同じ性質を持つと期待されるので、巨大惑星の進化や大気を調べる上でも褐色矮星は重要な存在になります。

褐色矮星には、宇宙空間を単独で漂う“孤立型”と、恒星を周回する“伴星型”の2種類が存在しています。

1995年に最初の褐色矮星が発見されてから数千個の褐色矮星が見つかっています。
でも、“伴星型”の褐色矮星の頻度は100個の恒星当たり数個ほどと希少なんですねー

なので、天文学者は“伴星型”の褐色矮星を発見する方法について頭を絞ってきました。

今回の研究では、伴星型褐色矮星と惑星を効率的に発見するための方法を新たに構築し、すばる望遠鏡による撮像探査を進めてきました。
研究を進めているのは、アストロバイオロジーセンター、国立天文台、東京工業大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、NASAなどの研究者で構成される国際共同研究チームです。
この探査で利用するのは、銀河系内の恒星が独自の速度を持って運動することによる“固有運動”の情報です。

ある恒星を伴星が周回する場合、その恒星の固有運動が伴星の重力の影響で加速します。
ただ、褐色矮星や惑星のような軽い伴星によって引き起こされる速度変化は非常に小さいので、これまでその測定は困難でした。

でも、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”によって転機が訪れます。
“ガイア”は、ヨーロッパ宇宙機関が2013年12月に打ち上げ運用する位置天文衛星。可視光線の波長帯で観測を行い、10憶個以上の天の川銀河の恒星の位置と速度を三角測量の原理に基づいて測定する位置天文学に特化した宇宙望遠鏡。測定精度は10マイクロ秒角(1度の1/60の1/60の1/10マンの角度)であり、これは地球から月面の1円玉を数えられる精度。
“ガイア”は、1990年代に活躍した位置天文衛星“ヒッパルコス”の後継器ですが、両衛星の測定値の差を調べることで、固有運動の微小な加速を導出することが可能になりました。(図2左)
“ヒッパルコス”は、1989年に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星。1993年まで観測を続け、星々の位置や運動の高精度なデータをもたらしてくれた。
研究チームでは、両衛星のデータを利用して、太陽系近傍にある恒星の固有運動の加速を調査。
巨大惑星や褐色矮星の伴星が存在する可能性のある複数の恒星を選出しています。

そして、すばる望遠鏡の最新の高コントラスト観測装置“SCExAO(スケックス・エーオー)”と“CHARIS(カリス)”を用いた観測を進め、恒星“HIP 21152”を周回する褐色矮星“HIP 21152 B”を直接撮像により見つけました。
図2.(左)固有運動の加速の様式図。惑星や褐色矮星などの伴星が恒星を周回している場合、伴星の重力により中心星の固有運動が加速する。そのため、異なる時期に測定した位置天文衛星“ヒッパルコス”と“ガイア”の固有運動の測定に差が生じる。(右)“HIP 21152 B”の軌道解析結果。丸印は数字で示された年における“HIP 21152 B”の予測位置と実際に観測された位置(青丸)。黒の曲線は最も可能性が高い軌道、色付きの曲線は可能性のある他の軌道を示し、色の違いはその軌道に対応する“HIP 21152 B”の質量を表す。左下の別枠は観測位置周辺の拡大図。(Credit: アストロバイオロジーセンター)
図2.(左)固有運動の加速の様式図。惑星や褐色矮星などの伴星が恒星を周回している場合、伴星の重力により中心星の固有運動が加速する。そのため、異なる時期に測定した位置天文衛星“ヒッパルコス”と“ガイア”の固有運動の測定に差が生じる。
(右)“HIP 21152 B”の軌道解析結果。丸印は数字で示された年における“HIP 21152 B”の予測位置と実際に観測された位置(青丸)。黒の曲線は最も可能性が高い軌道、色付きの曲線は可能性のある他の軌道を示し、色の違いはその軌道に対応する“HIP 21152 B”の質量を表す。左下の別枠は観測位置周辺の拡大図。(Credit: アストロバイオロジーセンター)

これまでで最も軽く惑星質量に迫る天体

次に、研究チームが行ったのは“HIP 21152 B”の軌道を調べることでした。

すばる望遠鏡による合計4回の直接撮像と、岡山188センチ望遠鏡の分光器“HIDES(ハイデス)”による恒星“HIP 21152”の視差速度観測、そして位置天文衛星による固有運動データを組み合わせることで、“HIP 21152 B”の軌道を決定することに成功しています。

伴星の軌道が決まると、ケプラーの法則が示すようにその質量を推定できます。
軌道解析(図2右)からは、“HIP 21152 B”の質量は木星の22~36倍と決定されました。

これほど精密に質量が決定された褐色矮星の例は、まだ20程度しかありませんでした。
これまで、褐色矮星の質量を推定するために主に用いられてきたのは“進化モデル”を利用した方法。“進化モデル”は褐色矮星の年齢の変化に応じた光度や温度を示したもので、観測で得られた高度や温度から褐色矮星の質量が決まる。でも、この手法では年齢(一般的に、主星や属する星団の年齢が褐色矮星と等しいと仮定)や進化モデルの不定性のために、得られる褐色矮星の質量が不正確になる。“HIP 21152 B”はヒアデス星団に属するため年齢の不定性による影響は少ないが、“進化モデル”の不定性の影響は依然として残ることになる。“進化モデル”を利用して“HIP 21152 B”の質量を推定した場合は、軌道解析から決定された質量の1.3倍大きな値が得られた。
また、“HIP 21152 B”は質量が精密に決まっている褐色矮星の中では最も軽く、惑星質量に迫る天体であることも明らかになりました。
今回の研究成果と同時期に、ヨーロッパの研究チームも“HIP 21152 B”の撮像に成功している。一方、“HIP 21152 B”が伴星であることの証明や、その力学的な質量を導出したのは今回の研究が初めて。
このことから、“HIP 21152 B”は褐色矮星や巨大惑星の大気の研究の上で重要な天体になるはずです。

今回の研究では、“HIP 21152 B”のスペクトルも取得されています。
そこから示されたのは、“HIP 21152 B”の大気の特徴がL型とT型と呼ばれる褐色矮星のスペクトル型を、移り変わる型に分類されることでした。

T型の大気ではメタンによる強い吸収が見られますが、L型の大気ではそれがほとんど見えません。

この変化は大気の温度や雲の存在と強く関係していて、直接撮像されている“HR 8799”の惑星も類似したスペクトルを示しています。

この点でもやはり、“HIP 21152 B”の質量や年齢という最も基本的な特徴が正確に決まっていることが重要になります。

どのような質量の天体がいつ、“HR 8799”の惑星や“HIP 21152 B”で見られているような大気の特徴を示すのでしょうか?
この観点において、今回の巨大惑星と褐色矮星の大気を調べることが可能になったことは大きな成果といえます。

“HIP 21152 B”は、今後の天文学・惑星科学の進展で重要な役割を果たすベンチマーク(基準)になると期待されています。
図3.すばる望遠鏡の“SCExAO”と“CHARIS”で取得した“HIP 21152 B”のスペクトル図(青線)。褐色矮星の大気に存在する水蒸気とメタンによる光の吸収の範囲(注5)が上に横線で示されている。“HIP 21152 B”のスペクトルの凹みはそれらの気体による吸収によって生じたもの。(Credit: アストロバイオロジーセンター)
図3.すばる望遠鏡の“SCExAO”と“CHARIS”で取得した“HIP 21152 B”のスペクトル図(青線)。褐色矮星の大気に存在する水蒸気とメタンによる光の吸収の範囲(注5)が上に横線で示されている。“HIP 21152 B”のスペクトルの凹みはそれらの気体による吸収によって生じたもの。(Credit: アストロバイオロジーセンター)

分子の吸収波長帯の表示には、ジュネーブ大学が提供するウェブツールを参考にしている。
新しい着眼点に基づいた惑星や褐色矮星の探査を進める今回の研究プロジェクトは現在も進行中です。

また、すばる望遠鏡の直接撮像装置も継続して改良が行われていて、新しい光学機能の運用開始が予定されています。

今回の研究プロジェクトが目指す効率的な探査計画の進展と、すばる望遠鏡の観測装置の開発や改良により、今後も様々な重要天体が発見されることが期待されますね。


こちらの記事もどうぞ


これまでの予想の4倍以上! 宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”の隠れた爆発エネルギーを測定

2023年01月02日 | 宇宙 space
今回、国際研究チームが世界で初めて成功させたのは、宇宙最大の爆発現象である“ガンマ線バースト”の電波と可視光における偏光の同時観測。
観測には、アルマ望遠鏡とヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”を用いられました。
 今回の研究を進めているのは、台湾・国立中央大学/MITOS Science CO., LTD.の浦田裕次氏、東北大学学際科学フロンティア研究所(兼務 大学院理学研究科)の當真賢二准教授、同大学大学院理学研究科の桑田明日香氏(博士後期課程1年生)らを中心とした国際研究チームです。
この観測により、偏光を使わなければ見えない隠れたエネルギーを含めたガンマ線バーストの本当の爆発エネルギーを推定。
これまでの推定の4倍以上となることが分かってきました。

この結果により修正を迫られる可能性があるのが、典型的なロングガンマ線バーストの起源となる星の重さや爆発の理論です。

宇宙で最初に誕生した星は、それが引き起こすガンマ線バーストの観測によって探すことができます。
そして、その星の重さを測定することは、宇宙の進化史の解明にもつながるようです。

宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”

ガンマ線バーストは、宇宙最大規模の爆発現象であり、非常に高いエネルギーを持った光であるガンマ線が短時間観測されます。
 ガンマ線バーストは、0.01秒から数時間程度にわたってガンマ線が突発的に観測される現象。1960年代の冷戦下に宇宙空間での核実験を監視する衛星によって発見された天体現象。発見から40年ほどはどのような天体が発生源か全く分かっていなかったが、近年の研究によって宇宙最大の爆発現象であり、大きく2種類の天体現象を起源としていることが明らかになっている。ガンマ線放射の継続時間によって2種類(ロングガンマ線バーストとショートガンマ線バースト)に分類される。ロングガンマ線バーストは、大質量星の重力崩壊が原因であるとする説が有力(重力崩壊は大質量星が最期を迎える際、自らの重力によって急激に収縮して引き起こす爆発現象)。全天をX線やガンマ線で常にモニター観測すると、1日に1~2回も発生している天体現象。現代の天文学では、いずれの現象も初期宇宙の探査やマルチメッセンジャー天文学を進める上で欠かせない天体現象になっている。
その特徴から、ショートガンマ線バーストとロングガンマ線バーストに分類されています。

ショートガンマ線バーストが発生すると考えられているのは、中性子星同士や中性子星とブラックホールの合体現象です。
その時に重力波も生じるので、マルチメッセンジャー天文学の対象になっています。
 一般相対性理論によると、中性子星のような高密度な天体の周りでは時空(時間と空間)が歪んでいる。このような高密度な天体が運動することで、歪みが波として宇宙空間に伝播する。これを重力波という。2015年にブラックホール同士が合体するときに作られた重力波が初めて直接検出され、重力波を使った新しい天文学研究が爆発的に進展している。
 マルチメッセンジャー天文学は、電磁波(光)や重力波、ニュートリノ、宇宙線などを協調して観測・解析することで行う天文学。それぞれが異なる発生メカニズムを持っているので、これらの観測結果を総合することで発生源の正体に迫ることが可能になる。
ロングガンマ線バーストは、特殊な重い星が、その一生の最後に起こす爆発現象です。

遠方宇宙でも発生するロングガンマ線バーストは、宇宙で最初に誕生した星でも発生すると予想され、宇宙の成り立ちを観測することにおいても重要な天体現象になります。

つまり、ガンマ線バーストは、現代の天文学研究に欠かせない重要な天体現象というわけです。

爆発エネルギーが光に変換される効率

ショートとロングの2つのガンマ線バースト。
どちらのガンマ線バーストも膨大な爆発のエネルギーを様々な波長の光に変換します。
この光は、ガンマ線から電波までの幅広い波長で観測されています。

爆発エネルギー自体を直接見ることはできません。
でも、光は様々な望遠鏡で観測することができるので、その光を集めて積算することで、どのくらいの爆発エネルギーであったかを推定することはできます。

ただ、爆発エネルギーが光に変換される効率は、これまで測定することができなかったんですねー

変換効率が低い場合だと、観測される光は、爆発エネルギーのごく一部だけを見ていることになります。
逆に、変換効率が高い場合には、見える光だけを積算することで、爆発エネルギーを精密に測れることになります。

今回の研究で成功したのは、この変換効率を偏光という光の振動方向の偏りを手掛かりに、初めて測定することでした。

複数の大型望遠鏡を連携させて偏光を測定する

日常生活でも偏光の特徴は、サングラスや車の遮光フィルムなどで利用されています。

川や海などの水面のキラキラした反射光は偏光度が高く、偏光サングラスで見るとそれが取り除かれ、水の中がクリアに見えますよね。

ただ、サングラスをかけるのは簡単ですが、天文学観測では偏光測定は格段に難しく、あまり頻繁に行うことがありません。

それは偏光測定では、地球から典型的に100億光年も離れたガンマ線バーストの光をとらえて、その光をさらに偏りに分割し、微弱な信号を取り出す必要があるからです。
そのため、人類が現在使うことができる最も大型の観測装置を使うことになります。

さらに、波長の異なる可視光と電波で偏光測定するには1台の望遠鏡ではなく、複数の大型望遠鏡を緊密に連携させる必要もあります。

その目的のため研究チームが用いたのは、ヨーロッパ南天天文台が運用する超大型望遠鏡“VLT”と世界最大の電波望遠鏡“アルマ”でした。
 超大型望遠鏡“VLT(Very Large Telescope)”は、ヨーロッパ南天天文台が南米チリのパラナル天文台(標高2635メートル)に建設した口径8.2メートルの4基の光赤外線望遠鏡の総称。それぞれ1基ずつ独立に観測でき、ガンマ線バーストをはじめ様々な観測を行っている。4基の望遠鏡を光ファイバーで結合して光干渉計としても活用されている。日本の“すばる望遠鏡”と共に世界最大の光赤外線望遠鏡の1つ。“すばる望遠鏡”と違い、南半球からでしか見えない宇宙を観測している。
 日本を含む22の国と地域が協力して、南米チリのアタカマ砂漠(標高5000メートル)に建設されたのが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array = ALMA:アルマ望遠鏡)。人間の目には見えない波長数ミリメートルの“ミリ波”やそれより波長の短い“サブミリ波”の電波を観測する。高精度パラボラアンテナを合計66台設置し、それら全体をひとつの電波望遠鏡として観測することができる。

ガンマ線バーストの正体に迫る

研究チームが観測したのは、2019年12月21日に発生したガンマ線バースト“GRB191221B”でした。(図1)
 “GRB191221B”は、NASAのガンマ線バースト観測衛星“ニール・ゲーレルス・スウィフト(旧称スウィフト)”が2019年12月21日に発見したガンマ線バースト。この日はガンマ線バーストは2つ発見されていて、2番目に発見されたことから発生年月日“191221”と共に“B”が名前に付けられている。天体までの距離は83億光年、はるか彼方で起きた「典型的な」ガンマ線バーストの一つ。
このガンマ線バーストは、研究チームが世界で初めて電波残光の偏光観測に成功したガンマ線バースト“GRB171205A”の距離5億光年とは違い、83億光年も離れた遠方宇宙で起きた「典型的な」ガンマ線バーストでした。
 “GRB171205A”は、NASAのガンマ線バースト観測衛星“スウィフト”が2017年12月5日に発見したガンマ線バースト。2017年12月5日に最初に発見されたガンマ線バーストなので、発生年月日と合わせて“GRB171205A”と名付けられた。典型的なガンマ線バーストと比べて5億光年と非常に近い宇宙で発生し、観測史上最も明るいサブミリ波残光も発見された。ガンマ線バーストと重たい星が引き起こす超新星爆発との関連が詳しく観測されたイベントの一つ。
「典型的」というのは、日本がNASAなどとの共同で開発・運用を行い、1000以上のガンマ線バーストをとらえたX線天文衛星“すざく”の統計的な解析結果と比べることで明らかになったことでした。
図1.ガンマ線バースト“GRB191221B”のイメージ図(左)と普通の光と偏光した光で観測した“GRB191221B”の観測画像(右下挿入図)。爆発のエネルギーが光に変換されたもの(残光)が観測されるが、偏光を使うことで爆発エネルギーを正確に推定することができる。(Credit: Urata et al./Yu-Sin Huang/MITOS Science CO., LTD.)
図1.ガンマ線バースト“GRB191221B”のイメージ図(左)と普通の光と偏光した光で観測した“GRB191221B”の観測画像(右下挿入図)。爆発のエネルギーが光に変換されたもの(残光)が観測されるが、偏光を使うことで爆発エネルギーを正確に推定することができる。(Credit: Urata et al./Yu-Sin Huang/MITOS Science CO., LTD.)
この典型的なガンマ線バーストの残光の同時偏光観測を行うことが出来たのは、爆発からわずか2.5日後のことでした。

偏光観測では、天体の明るさが暗いと有益な結果を得られません。

そのため研究チームは、爆発から最初の2日間は可視光と電波の残光の明るさを測定し、ときどき刻々と変化するガンマ線バースト残光が十分明るいかどうかを確認しなければなりませんでした。

同時偏光観測が成功したのは、研究チームのこれまでの観測経験をもとに、偏光観測に適切かを素早く見極める手法を確立していたおかげです。
その結果、明らかになったのは電波の偏光度が可視光よりも低いことでした。

波長による偏光の違いから、残光を放射している衝撃波の詳細な状態を明らかにできます。

特に、偏光を使わなければ観測できない隠れたエネルギーの割合の推定です。
つまり、爆発エネルギーが光へ変換される効率を測定することができます。

これまで100%と想定されていた変換効率ですが、今回の結果は約30%以下となっています。

そう、この典型的なガンマ線バーストの本当の爆発エネルギーは、これまでの方法の推定よりも3.5倍以上大きかったわけです。

爆発エネルギーの元になるのは、爆発前の星の重力のエネルギーです。
もし、10倍以上大きければ、典型的なロングガンマ線バーストの起源となる星の重さや爆発の理論の修正を迫ることになります。

宇宙で最初に誕生した星は、それが引き起こすロングガンマ線バーストを検出することで発見できる可能性があります。
その重さの推定は、宇宙の進化史の解明にもつながるものです。

さらに、史上最高エネルギーのガンマ線が検出された2022年10月9日のガンマ線バーストにも、今回の手法が適用されています。

このガンマ線バーストは、100~1000年に一度の歴史的なイベントと言われていて、この爆発エネルギーの光への変換効率を測ることで、ガンマ線バーストの正体に迫れることが期待されます。

ガンマ線バーストという宇宙最大の爆発現象の正体を明らかにする。
それには、今回の測定手法を他の様々な種族のガンマ線バーストに適用し、観測れを増やすことが重要になりますね。


こちらの記事もどうぞ