goo blog サービス終了のお知らせ 

宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

天の川銀河の中心に、高エネルギー粒子のジェット

2013年11月26日 | 宇宙 space
天の川銀河中心にある、太陽の400万倍もの質量をもつ超大質量ブラックホール。
このブラックホールに、高エネルギー粒子のジェットとみられるものが観測されました。

これまでも可能性が報告されていた、ジェットの存在を示す有力な証拠となるもので、
ブラックホールの進化についての、新たな手掛かりとして期待されているんですねー

“いて座A*”周辺をとらえたX線と電波の合成画像。
ピンクはNASAの“チャンドラX線観測衛星”によるX線画像、
青はアメリカ国立電波天文台のVLAの電波観測によるもの。

多くの銀河には、その中心にとても重いブラックホールがひそんでいます。

中でも活発なものは、周囲の物質を旺盛に飲み込み、
その反動で高エネルギー粒子のジェットを、両極方向に噴き出しているんですねー

私たちがいる天の川銀河の中心にも、“いて座A*”という大質量ブラックホールがあります。
太陽の400万倍もの質量を持ち、かつては活発な時期があったと考えられていたのですが、今は穏やかで目立った活動はしていません。

ジェットの存在を示唆する研究成果も報告されていたのですが、これまで決定的な証拠が見つかっていなかったんですねー


今回、南京大学の研究チームが、“いて座A*”周辺から噴き出すガスを調べてみると、
X線で輝くガスの直線状構造と、周囲のガス物質にぶつかってできる衝撃面からの電波が観測できたんですねー

これらはジェットの存在を示す強い証拠になり、
さらにX線のスペクトルは、他の銀河中心ブラックホールで見られるジェットに良く似ていることも分かっています。

観測からはブラックホールの自転軸が、
天の川銀河全体の自転軸と揃った向きであることも分かってきました。

このことは、このブラックホールには100億年以上ガスやダストが、安定して流れ込んでいたことを意味します。
なぜかと言うと、過去に大きな銀河同士がぶつかり、中心のブラックホール同士の合体などがあれば、自転軸はランダムな方向に向くからです。

また、今回見られたのと反対の極方向には、ジェットが見つかりませんでした。
これは、ガスやダストにさえぎられているか、あるいは観測されるほど勢いが強くないのが原因かもしれません。

2008年に見つかった、銀河中心部から広がる謎の巨大バブル構造の起源や、ブラックホールの進化など…  今回の観測成果は、多くの謎の解明を前進させる手掛かりになるようです。

色とりどりの星団にひそむ中質量ブラックホール

2013年11月25日 | 宇宙 space
今の季節、宵の頃に天頂を駆けるペガサス座…
その鼻先に位置する球状星団を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像が公開されました。

色とりどりの星がひしめき合う星団の中心には、珍しいタイプの「中程度の質量のブラックホール」が存在するようです。






10万個以上もの星々が、
ひしめき合う球状星団“M15”。





この星団は、ペガサス座の方向3万5000光年彼方にある“M15”で、
形成から120億年という古い星の大きな集団です。

“M15”は球状星団の中でも特に星の密集度が高く、
全体の質量のほとんどが、その中心部に集中しているんですねー

ハッブル宇宙望遠鏡が、その姿を詳細にとらえた最新画像では、
高温の青い星や、比較的低温の黄金色の星がひしめき合い、中央に向かって密集しているようすが分かります。

そして、その中心には特殊なタイプのブラックホールがひそんでいるようです。

“M15”の中心部に「何かある」っと分かったのは2002年のことです。
中性子星か、もしくはもっと高い可能性として、中間程度の質量のブラックホールが、あるのではと考えられていました。

中間程度とは、恒星程度の質量のブラックホールより重く、銀河中心にあるような超大質量ブラックホールよりは軽いという意味で、前者2種類ほどありふれてはないんですねー

こうした中質量ブラックホールは、“M15”のような球状星団や銀河の中でブラックホールが、どのように成長をとげるかを知るヒントになります。

中質量ブラックホールの形成については、
恒星程度の質量のブラックホール同士か、あるいは思い星同士の衝突でできるという説や、
宇宙誕生と同時に作られたのではという説があります。


また、“M15”ではほかにも、“Pease 1”という惑星状星雲も見つかっています。

惑星状星雲は、太陽以下の質量の星が一生を終えていく際に放出する、外層ガスが輝いて見える天体で、星の一生の変化の中では、ひじょうに時間の短い段階です。

球状星団の中に見られることはまれで、
この“Pease 1”を含めて、これまでに3例しか見つかっていないんですねー

うめぼしバイク部 “走り納めツーリング”

2013年11月24日 | バイク・旅・ツーリング
塚口にある立ち呑み処“うめぼし”、ここに集まる酒好き・バイク好きのツーリングも4回目です。

寒くなってきた今回のお題は、2013年 走り納めツーリング。
行き先は紅葉を求めて高野龍神スカイラインなんですねー (^^♪

11月17日晴れ、塚口を9時に出発して阪神高速湾岸線→阪和道で、一気に有田まで走ります。

そして、立ち寄ったのが則種というお店。
まだ11時ですが、ここでいきなりの昼食なんですねー


この店は、なんと創業100年。
地元の湯浅湾でとれた“しらす”を、せりから加工まで行うので、
“生しらす”をリーズナブルな値段で食べられるんですねー

注文したのはご飯の上に、きざみのり・大葉・生しらすがのった“生しらす丼”。
あと、わかめ・卵黄が添えられています。
これに湯浅特産の出汁醤油をかけて食べるんですねー

初“生しらす”は、ネットリとした舌触りで、クセが無く仄かな甘みでウマー (*^_^*)
出汁醤油は少し多めにかけた方がイイかも、これで900円は本当に安いと思いますねー

実はココ、ツーリングの裏メインイベントだったりするんですねー (^^ゞ
“生しらす”は鰯の稚魚なので、ほんとうに新鮮なものでないと美味しくないそうですよ。


店を出たのが12時ころ、そして国道421-371号を走って着いたのが龍神温泉。

残念ながら、温泉からの紅葉はいまひとつ…
でも、のんびり元湯につかった後に、紅葉がまぶしい高野龍神スカイラインを堪能 (*^_^*)、本当にここまでは良かった!

高野山を降りて橋本に出てみると、なぜか河内長野方向の空がピカピカ…
どう見ても稲光なんですねー

1本道でルート変更できず、そのまま進んで行くとカッパを着るタイミングも無く大雨に遭遇…
ズブ濡れで帰ってきました。

まぁー  一年を締めるのにふさわしい記憶に残るツーリングでした ^^; 




うめぼしバイク部 “走り納めツーリング” のマップ

火星への長い旅路の始まり…  探査機“メイブン”打ち上げに成功!

2013年11月24日 | 火星の探査
11月19日3時、NASAとユナイテッド・ローンチ・アライアンス社は、
火星探査機“メイブン”を載せたアトラスVロケットを予定通りに打ち上げました。

ケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられたアトラスVロケットは、順調に飛行し、52分後には“メイブン”を所定の軌道に投入することに成功したんですねー

アメリカ政府機関一部閉鎖の影響で、打ち上げ延期の危機に直面した“メイブン”ですが、打ち上げが成功してひと安心…

とはいかず、“メイブン”の探査ミッションには、これからもクリアすべきハードルがいくつもあるようです。


◆ 火星への長い旅路
“メイブン”が火星周回軌道に入るのが2014年9月22日、
これは2012年に火星に着陸した探査車“キュリオシティ”よりも、6週間ほど長くかかることになります。

火星周回軌道までの巡航期間は、
作業も少なくミッションの中で「のんびり」できる時間に思えますよねー

でも実際には、探査機のすべてのシステムが適切に機能していることを確認するため、地上の管制チームは非常に忙しくなります。
宇宙線や太陽放射など、科学機器や飛行計器がいくつダメになるか分からない船外の脅威を、常に監視する必要があるんですねー


◆ 通信の遅延
地球と火星の間に広がる広大な空間のため、火星に向かう“メイブン”と地上の管制との間では、
片道で最大20分の通信遅延が発生します。
実際にどれくらい遅れるのかは、太陽を周回する地球と火星の位置関係で決まるのですが、非常事態が発生した場合に影響します。


◆ 軌道投入
“メイブン”が火星に接近すると、NASAの管制官が減速を命じます。
これは、火星の重力に補足されて軌道に入れるようにするためですが、十分に減速しないと火星を通過して小惑星帯に向かってしまうんですねー

大きな楕円軌道に入った後は、大気制動という大胆なテクニックを使います。
火星の薄い大気の抵抗を利用して高度を下げ、必要なデータを収集することができる低い軌道に入ることになります。


◆ 危険な降下
“メイブン”は火星に着くと、火星を周回する楕円形の安定した軌道に落ち着きます。
火星まで、もっとも接近して150キロ、もっとも離れたときは6000キロの軌道です。

そして、火星の高層大気に対して定期的に降下を行い、
搭載した機器で火星の大気を直接採取します。
これは、1年間の最重要ミッション期間中に、最低5回実施されることになります。


◆ 火星の気候変化の謎の解明
数十億年前の火星は厚い大気に囲まれ、地表を液体の水が流れる生命居住可能な環境だったと考えられています。

それは、なぜ失われたのか?
何か極端な出来事が、地球に似た環境の火星を、
現在の大気の薄い冷たい砂漠の世界に変えてしまいました。
なので、火星の大気組成を初めて直接分析することで、大気の大半が宇宙空間に消失した理由を探ることになります。


これから“メイブン”が地球周回軌道を離れても、それは約6億4000万キロの長大な探査旅行の始まりにすぎないんですねー

破壊だけではない? ブラックホールのジェットに鉄やニッケルが…

2013年11月23日 | 宇宙 space
ブラックホールから超高速でジェット状に噴き出される物質に、
鉄などの重い原子が含まれていることが分かりました。

ケンタウルス座の方向にある活動銀河“NGC3783”
この銀河の中心にあるブラックホール周辺(イメージ図)

宇宙で最も強力な現象なのがブラックホールです。
このブラックホールから噴き出される物質の細いビームに、
天文学者らは数十年にわたり興味を引かれてきたんですねー

このジェットには、
マイナスに帯電した粒子である電子が含まれていることは分かっていたのですが、
謎なのは、ジェット全体がマイナスに帯電していないことでした。

これは、マイナスの電荷を相殺する、プラスに帯電した「何か」の存在を意味するんですねー

そこでオーストラリアの研究チームは、
ヨーロッパ宇宙機関のX線探査衛星“XMMニュートン”と、オーストラリア東部のコンパクト電波干渉計を使用して、この「何か」が、鉄やニッケルなどの原子とみられることを突き止めました。

“4U1630-47”と呼ばれる小型のブラックホールからは、
光速の3分の2の速度でジェットが放出されていて、
ジェットの中で複数の原子スペクトルが観測されました。

このジェットの発生源は、
ブラックホールの吸い込み口を取り巻く高温のガス帯“降着円盤”とみられています。


今回の発見の重要なところは、
ブラックホールが破壊だけでなく、創造もすることを示した点にあります。

ブラックホールは、物質やエネルギーを宇宙空間に再循環させ、
ジェットは、銀河の星形成がいつどこで起きるかを決めるのに、一役買っているようです。

なので、超大質量ブラックホールから放出されるジェットが、
周囲の環境に及ぼす影響を知ることは、銀河の運命を知ることにもなるんですねー

鉄の原子は、電子の約10万倍の質量を持つので、
同じ速度で進む軽い粒子に比べて、はるかに多量のエネルギーを運ぶことになります。

ひっとすると、星間空間での物質との衝突によって、
ガンマ線と電子が発生しているのかもしれません。