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明るさを保つエネルギーはどこから得ているの? 爆発してから6年もたつのにまだ明るい超新星を発見。

2018年10月08日 | 宇宙 space
広大な宇宙のどこかで、いつ起きるのか分からない現象。
その1つが、大質量星が生涯を終えるときに起こす大規模な爆発現象“超新星爆発”です。

発見された時には発生してから数日が経過していて、残骸が分散してしまっているケースがほとんどで、その後、“超新星爆発”は数年かけて徐々に暗くなっていくことになります。

でも、不思議なことに、2012年に発見された超新星“2012au”は、爆発から6年も経っているのに今も見えています。

なぜ、明るさを維持できているのか?

そのメカニズムは、爆発後に残された中性子星が作るパルサー星雲にあるのかもしれません。


明るさを保つエネルギーをどこから得ているのか?

2012年3月のこと、おとめ座の銀河“NGC 4790”に超新星“SN 2012au”が出現します。

こうした超新星の明るさは数か月前から数年かけて徐々に暗くなっていくはずでした。
でも、“SN 2012au”は爆発から6年経った今でも観測可能な明るさを保っているんですねー
○○○
超新星“2012au”が出現した銀河“NGC 4790”(左)と、
2001年に撮影された超新星が現れる前の画像(右上)、右下は2013年撮影。
“SN 2012au”は、多くの点で通常とは異なる一風変わった超新星として知られることになります。

超高輝度超新星と呼ばれるタイプの超新星ほど明るくないものの、非常に高エネルギーで長続きし減光もゆっくり。

爆発前の星が放出していた水素ガスと超新星爆発とが何らかの相互作用を起こしていない限り、爆発後これほど長期にわたって超新星の姿が見え続けた例は他にはありません。

でも、“SN 2012au”の観測データに水素の存在を示す特徴は見られず…
なので、この天体は何かによってエネルギーを得ているはずです。


疑問を解くカギはパルサー星雲と超高輝度超新星を理解すること

大質量星が崩壊するタイプの超新星爆発では、あとに中性子星が残されることがあります。

その中性子星が磁場を持ち高速で自転すると、近くの荷電粒子を加速させ、電波やX線の波長で輝く“パルサー星雲”と呼ばれる天体になります。

そのようなプロセスが“SN 2012au”で起こった可能性も考えられます。

そしてパルサー星雲は、爆発で放出された物質を照らし出す電球のような役割を果たすことになります。
極端に明るかった他の超新星爆発後の場所を観測し続ければ、同じような変化が見られるのかもしれません。

もし、本当にパルサー星雲が爆発した星の中心に存在していれば、内側からガスを押し出して加速することも可能になります。
  数年後に注意深く観測すれば、酸素の豊富なガスがもっと速く離れ去る様子が
  観測できるかもしれない。


さらに分かってきたのが、水素の乏しい超新星でも、爆発前からあった大量のガスと、爆発時の噴出物が爆発的な衝突をすると超高輝度超新星になれること。

なので、今回の現象の解明には、超高輝度超新星の基本的な物理を理解することが重要になりそうです。

超新星の一種で通常の超新星の10倍から100倍明るく輝く天体“超高輝度超新星”。
重力波やブラックホールの元になる可能性や、ガンマ線バーストや高速電波バーストといった現象との関連から、注目されている天体でもあります。

ただ、非常に遠くで起こる比較的珍しい現象なので観測が難しいのが現状なんですね。

  太陽の5700億倍! 観測史上最も明るい“超新星爆発”
    

超新星爆発は宇宙における基本的なプロセスの1つです。
酸素や鉄など人間に欠かせない元素も超新星爆発から作られるので、私たちにとって無関係とは言えない現象になります。

宇宙の住人である私たちとっても、この超新星爆発のプロセスを理解することは重要なことになるのでしょうね。


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