四重星系の誕生(イメージ図)。 周囲を取り巻くチリのリングが、やがて惑星になる。 |
今回の発見は、地球から800光年彼方のペルセウス星団にある“バーナード5”と呼ばれるガス雲の中。
世界最大級の電波望遠鏡になる“VLA”と“グリーンバンク望遠鏡”、
そして、“ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡”を併用し、
このガス雲に、原始星1つと高密度ガス領域3つが抱かれている様子を発見しています。
高密度ガスは、それぞれ約4万年以内に核融合を起こし、
太陽の質量の10分の1程度の小型の恒星になるようです。
天文学的には、ほんの一瞬の出来事なんですねー
でも、4つの星は永遠に一緒にいるわけではありません。
コンピュータのモデルによると、いずれ1つの星が分離し、
重力的な結び付きの強い3つが三重星系を形成するそうです。
B5ガス複合体は、 約4万年で多重星系になると 予測されている。 |
この種の多重星系は宇宙ではひじょうに一般的で、
スターウォーズに出てくる太陽が2つあるタトゥイーンは、現実とそんなにかけ離れていないんですねー
実際、すべての恒星のうち半数近くが、この種の星系を形成していて、
地球からわずか4.37光年と、最寄りの恒星であるケンタウルス座アルファ星も二重星になります。
多重星系は私たちの銀河系に普通に存在するのですが、
その形成過程は長年の謎でした。
一方で、多くの星が多重星系であるのだとしたら、
むしろ私たちの太陽が、今から50億年前になぜ単星として生まれたのか?
その誕生の秘密の方が、大きな謎かもしれないんですねー
惑星の分布からは、太陽系が多重星系になったことはないと考えられています。
今回の発見は、連星系がどのようにして誕生するのかを説明する助けになるのですが、
太陽がなぜ単星としてうまれたのか? っという新たな謎の元にもなったようですね。