宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

月探査機の月食の過ごし方

2014年04月13日 | 宇宙 space
地球から見る月食は美しい天文現象ですよね。
でも、太陽光から電力を得ている月探査機にとっては、地球の影に入ってしまうと太陽光から電力を得ることができず、死活問題になります。

今回、NASAの月周回探査機“ルナー・リコナサンス・オービター”が、
4月15日に起こる月食で、かつてない長時間を影の中で過ごすことになるんですねー
“ルナー・リコナサンス・オービター”が、
昼側に回る時間と月食の時間がかさなる、
太陽光なしで過ごす時間が長くなる。

月が地球の影にすっぽり入って全体が暗く見える皆既月食が、4月15日に起こります。
月食中の月からは、地球による日食が見える。
こちら側を向いているアメリカ大陸から、
欠けた月を見やすい。

アメリカ大陸では、全過程が見られる好条件になるんですが、
残念ながら日本では、東日本で昇ってきた直後の月が、わずかに欠けているのが見えるだけなんですねー
まぁー 今年の10月8日に好条件の皆既月食があるので、そちらに期待しましょう。

この皆既月食のときに月面では、昼側のどこにいても、地球による皆既月食が1時間以上にわたって続くことになります。
天文ファンには嬉しい状況なんですが、太陽光から電力を得ている月探査機にとっては死活問題になります。

2009年に打ち上げられた“ルナー・リコナサンス・オービター”は、月食を迎えるのは今回が初めてではありません。
でも今回は、軌道上で昼側に回る時間と、月食の時間がちょうど重なるので、数時間もの間を影の中で過ごすことになるんですねー

なので、ミッションチームでは“ルナー・リコナサンス・オービター”の機器をオフにして、随時バッテリーの状態を監視することになるんだとか…


今回は機器を使うことができませんが、
これ以外の月食は、“ルナー・リコナサンス・オービター”にとって現地にいるメリットを活かすチャンスになります。
月面の温度がどれだけ下がるのかを測定することで、地表の組成を探る材料にできるようですよ。