宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ドローンと人工衛星の機能を併せ持つ“成層圏バス”

2014年03月25日 | 宇宙 space
フランスの航空宇宙企業タレス・アレニア・スペース社が、
高度20キロの成層圏で定点滞空ができる、大型無人飛行船“成層圏バス”の構想を発表しました。

“成層圏バス”は、高度20キロに自律的に定点滞空することができる無人飛行船です。
そして地球観測、安全保障、通信放送、航法など人工衛星のような機能を持つんですねー

“成層圏プラットフォーム”と呼ばれる施設の一種になり、
長さ70~100メートル、直径が20~30メートル程度の大きさで、太陽光発電システムと燃料電池を備えます。

風速25メートル毎秒までの風に対応し、自動でモーター出力を調整するので、上空の一点に留まり続けることができるんですねー

最大で200キロまでの観測機器や通信機器を搭載することができるので、
水害や山火事など災害状況の監視や、気象観測、国境や海洋監視活動、GPS衛星などからの航法信号の増幅、通信・放送などのミッションに対応します。

人工衛星よりもコストが低く、電波の送受信に遅延が少ない、打ち上げリスクが小さい
などのメリットがあるので、“成層圏プラットフォーム”は各国で研究開発が行われています。

2000年代前半に日本でも実証実験が行われたのですが、実用化には至らず…

記憶に新しいものでは、Googleが2013年に発表した通信網構築構想“Project Loon”があります。
ただ、これは飛行船ではなく気球を使ったプロジェクトなんですねー

“成層圏バス”は、
耐久性と定位置に自律的に留まる機能で“Project Loon”よりも優れているんだとか…
まぁー 5年以内に登場するプロトタイプ機を見てみないと分かりませんね。