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モバライダー mobarider

火星のクレーターは巨大な湖だったのかも…

2014年03月16日 | 火星の探査
最新の研究によると、火星のゲイル・クレーター内にあるシャープ山に、かつて豊富な水が存在していた可能性があるそうです。
このことは、水の影響で形成された地形が、かなり標高が高い地点で確認されたことで分かってきたんですねー
火星のゲイル・クレーターにあるシャープ山。
赤く示した部分に、網目状の岩石構造“ボックスワーク”が続いている。
左上の図はクレーターの全容で、右下の図は“ボックスワーク”地形の拡大図。

火星に生命が存在した可能性に直結するので、
NASAを中心に、さまざまな研究者が「火星に水が存在していた証拠」を長年にわたって探し続けています。

今回の舞台になるエリシウム平原のゲイル・クレーターには、標高5486メートルのシャープ山が中心にそびえています。
ここで、網目状の岩石構造が続く地形が確認され、古代の湖が存在した可能性が出てきました。

というのも、網目状の岩石構造“ボックスワーク”は、大量の水分が生み出す特徴的な地形だからです。
しかも、クレーターの底から1キロという標高にあるんですねー

“ボックスワーク”とおぼしき地形が、最初に発見されたのは2008年のことでした。
その後、マーズ・リコナサンス・オービターによる高解像度撮影により、詳細な姿がとらえられるようになります。


“ボックスワーク”の成り立ちは、ほぼ確立していて、間違えようのない地質構造なので、火星に応用しても問題は無いそうです。

まず、上部の岩石の重みで、シャープ山の比較的軟らかい岩石層にひびが入ります。
そこに、塩分とミネラル分を含んだ水が滲入し、残った堆積物が急激に冷えて岩石化していくんですねー

この新しく生まれた岩石は、元の堆積鉱床よりも当然固く、
時が経つと、軟らかい岩石層は風化してしまい、残った固い岩石が当時のようすを伝えることになります。

今後、膨大な時をかけてシャープ山の侵食が進めば、いずれ何キロも続く“ボックスワーク”の全容が表面に現れることになります。

現時点での疑問は、「なぜ、この標高に水分が存在したのか」という点になります。

ひょっとすると、30億年以上前のゲイル・クレーターは、水分を十分に含んだ堆積物や水で、直径154キロ全体が満たされていたのかもしれません。

そして、水もミネラル分も豊富ということは、
周辺が生命に適した環境だったとしても不思議ではないんですねー
この先の話は、火星探査車のキュリオシティがシャープ山に到着してからのお楽しみですね。