宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

火星の地下氷河

2008年11月28日 | 火星の探査
火星の中緯度に約数百メートルの厚さを持つ幅広い氷河があるようです。

これはNASAの多目的探査機“マーズ・リコナイサンス・オービタ”のレーダーを用いた探査により分かってきたことです。
探査結果は堆積地形(岩石の破片)の内部には氷河が埋もれているようなのです。

なんでもレーダー波の“反射強度”と“通過速度”が、氷を通過した時に得られる値と同じだったそうです。

重要なのは、この氷河が中緯度にあるということです。
火星の表面で確認されたどの氷よりも低緯度にあたります。

火星でも極地に氷が集中して存在しています。
これは極地のような高緯度では、気温が低いため氷が存在しやすいためです。

でも、今回発見された氷は中緯度に存在するんですねー
なぜでしょうか?

実は、むかし火星の自転軸は傾いていて、最も気温が低かったのは今の中緯度にあたる場所だったそうです。

地下氷河は過去の氷河期時代に火星の中緯度を覆っていた氷床だと考えられています。

その後、自転軸の傾きが変わり、まわりを覆っている岩石の破片により溶けずに残ったというわけです。
実際、南北両半球に存在する堆積地形は、ほぼ同じ緯度に位置しています。

この発見は火星の気候変動モデルを支持する強力な証拠となるようです。

あと火星の有人探査は20年単位のミッションとなるようです。
この氷が利用できれば、水の現地調達が可能となり決定的な利点となるようですよ。