美術館は楽し!!

2009-02-18 00:22:36 | Weblog
如月も、残り十日…。時の流れは加齢と共に加速を増し、必死になって追いつこうと努めるか、それとも諦めてマイペースで進むか、果たしてどちらが良いのやら悩むこの頃。
約ひと月ぶりに上京。まぁ、前回の上京は届け物が目的でしたから公務のようなもの。挙げ句にインフルエンザに取り憑かれて、未だに咳がとまらないのですから、疫病神のただ中に突入させられた気分です。
今回は、当初の目的地はサントリー美術館でしたが事前にチェックしたところ火曜休館でパス。では、と出光美術館に変更したのですが、これまた展示替えで休館。ひとえにこちらの確認不足ですが、ここ2、3年、何故かこことは掛け違うばかりです(/_;)
気を取り直して、八重洲のブリヂストン美術館まで準備運動(何のことやら)をかねて歩くことに致しました。東京駅八重洲口を見るのは丸二年ぶりになりますが、ここはいつになったら工事が終わるのか不思議でなりません。大体、昔から八重洲口って工事現場のような舞台裏にしか見えないのですよね。一応百貨店だってあるくせに…。それから、八重洲ブックセンターの二宮金治郎像って、あんなに金ピカピカでしたっけ。あそこで買い物をしたのは一度きり、それも四半世紀前のことですから記憶にないのも無理ない話ですが…。などと内心ぼやき(八つ当たり?!)ながら、目的地へ無事到着。
美術の教科書に掲載されている作品がおよそ網羅できそうなここのコレクションですが、それを毎回テーマを決めて見せてくれるのは嬉しいところです。今期(1/24~4/12)は【名画と出会う 印象派から抽象絵画まで】というタイトルで、ある意味コレクションのオールスターでしょうか。印象派以降の洋画の流れを過不足なく見せてくれます。ここにロートレックのムーランルージュがあるとは迂闊にも知りませんでしたし、ゴーギャンの静物画はピカソの先駆けのよう。ゲオルゲ・グロッスからは国吉康雄が連想されます。決して広い空間ではありませんが、緻密に計算された展示は心地良く、いつ行っても最後まで疲れも倦むこともなく作品を楽しめる空間を観るものに呈示してくれるのも有り難いところです。ただいつも残念なのは、ティールームのサンドイッチがいつも売り切れなこと(本筋とは関係ないですが…)。満腹も鑑賞に不向きですが、空腹とて同様に不向きなのですよね。
友人を誘い、遅い昼食を新宿中村屋で。2Fは和洋中どれも楽しめるというかつて百貨店にあったお好み食堂のような体裁ですが…。担々麺がいいなぁと思っていたのに、あたりはカレーの香りが漂い中華モードを瞬時に消滅させてしまいます。結局は牡蠣カレーを選択しましたが、なかなか美味ではありました。牡蠣はフライにしてあると勝手に思いこんでいましたが、カレーソースの中に殻から出したまま(もちろん下拵えはしているでしょうが)の牡蠣がボコボコ入っていてちょっとびっくり。考えてみれば、この冬に初めて口にした牡蠣でした。娘が牡蠣が苦手なため、二人きりの食卓が多かった今冬は避けてしまいがちだったのですよね。ただ、カレーにそのままの牡蠣ってどうなのかしら。牡蠣フライなら衣に牡蠣の旨味がガードされカレーは牡蠣フライのソースのような役割ですが、牡蠣を保護しているものがないとカレーの味に負けてしまうような気がしました。ふっくらとして、加熱の加減も完璧なものでしたが…。
本は…「ミレニアム 第一部」(早川書房/)と《館》三部作(創元推理文庫/佐々木丸美)を読了。佐々木丸美は三十年ぶりの再読ですが、いやぁ、昔同様にはまりました(^^;;それと同時に、宮部みゆきの「龍は眠る」や「蒲生邸事件」における超自然現象をどうして不自然に感じることなく読めたのか、その理由がわかったような気がしましたね。
「ミレニアム」は…佐々木丸美の作品とは対極にあるような話。半日の間、誰にも邪魔をされない時間を確保できるなら、一気読みすることをお勧めします。これまた三部作だそうですが、これからどのように話が展開していくのか、正直見当がつきません。主人公の相方である女性調査員が、注目キャラクターでしょうか。この先も登場するなら続けて読みたいですね。スウェーデンは人権意識が日本より進んでいるイメージですが、女性が暴力被害に遭う頻度は決して低くないようです。そのあたりのことを(現況・原因・対策など)、もう少し知りたいものです。